研究内容(岡研究室)


■ アーバスキュラー菌根菌の農業利用研究

 アーバスキュラー菌根菌(AM菌)(図1)は、植物の根に共生して、植物のリン吸収を助けてくれます。ダイズはAM菌に依存する割合が高い作物です。AM菌が感染しない植物(非宿主)の栽培跡では、AM菌の密度が低下するため、ダイズのリン吸収が低下します。反対にAM菌が感染する植物(宿主)の栽培跡では、AM菌の感染が高まり、リン吸収が促進されます。私たちの研究室では、AM菌宿主栽培跡のダイズ栽培(図2)では、リン吸収促進による収量増加に加えて、リン肥料の削減も可能であることを確認しました(図3)。輪作順序を適切に管理することでリン肥料の節約が可能になります。現在は、AM菌のさらなる農業利用の研究を進めています。


図1,2,3

参考文献
Oka N, T Karasawa, K Okazaki, M Takebe (2010) Soil Sci. Plant Nutr., 56, 824-830

■ 植物代謝産物の網羅的解析による作物栄養研究

 生体内代謝産物の網羅的解析(メタボロミクス)は、様々な分野への応用が期待されいている新しい研究手法です。私たちの研究室では、この手法を使って作物品質に及ぼす作物養分や堆肥施用の影響を調べています(図4)。コマツナを使った実験では堆肥施用で相対的に増加する代謝産物を見つけることができました。また、この手法を利用して作物のストレス診断技術を開発する研究も行っています(図5)



参考文献
Okazaki K, T Shinano, N Oka, M Takebe (2012) Soil Sci. Plant Nutr., 58, 696-706