てんさいの直播栽培における狭畦幅(50cm)による増収効果と栽植株数の設定


[要約]
直播狭畦幅(50cm)栽培は、60cm畦幅栽培に比較して、根重で6%程度、糖量で7%程度の増収効果が認められ、収穫株数が8000〜10000株/10aとなるように播種機の設定をする。
北海道立十勝農業試験場・研究部・てん菜特産作物科
[連絡先]0155-62-2431
[部会名]作物
[専門]栽培
[対象]工芸作物類
[分類]指導

[背景・ねらい]
省力栽培法であるてんさい直播栽培の栽培面積は近年増加傾向にあるが、収量性は一般に移植栽培に比べ15%程度劣り、収量向上技術への要望が強まっている。
 直播狭畦幅栽培は、作業機械体系が通常の直播栽培(60cm畦幅)とは異なるものの、収量向上が期待できる栽培技術であり、栽植株数、施肥法、機械作業体系、経営的評価が確立されていないが、平成10年現在、既に約168ha栽培されている。畦幅の設定は地域によって45〜50cmと異なり、株間の設定はそれぞれの農家により様々であるが、およそ収穫株数が8000株/10a以上確保することが目標とされている。そこで本試験は、実際栽培に近い播種方法のもとで畦幅50cmにおける増収効果と適切な栽植株数を明らかにすることを目的とした。

[成果の内容・特徴]
  1. 本試験で用いた播種機・播種法(タバタ式施肥播種機、傾斜播種板、凸型鎮圧輪、病害虫防除種子粉衣)では、設定の78.3〜104.1%、平均90%以上の精度で株数を確保できる。
  2. 栽植株数が同等(8000〜9000株/10a)の場合、狭畦幅(50cm)は標準(60cm)に比べて根重で6%程度、糖量で7%程度増収する。
  3. 狭畦幅(50cm)では、栽植株数が多いほど生育期の茎葉重、根重は8月上旬を最大にして増加するが、収穫期の根重、根中糖分、糖量は8000〜10000株/10aの間では同等であり、それ以上では個体間の競合が強まり、根重、糖量がやや減収する。

[成果の活用面・留意点]
  1. 本試験で用いた播種機・播種法(タバタ式施肥播種機、傾斜播種板、凸型鎮圧輪、病害虫防除種子粉衣)では、設定の78.3〜104.1%、平均90%以上の精度で株数を確保できる。
  2. 栽植株数が同等(8000〜9000株/10a)の場合、狭畦幅(50cm)は標準(60cm)に比べて根重で6%程度、糖量で7%程度増収する。
  3. 狭畦幅(50cm)では、栽植株数が多いほど生育期の茎葉重、根重は8月上旬を最大にして増加するが、収穫期の根重、根中糖分、糖量は8000〜10000株/10aの間では同等であり、それ以上では個体間の競合が強まり、根重、糖量がやや減収する。

[平成10年度北海道農業試験会議成績会議における課題名及び区分]
課題名:てんさいの直播栽培における狭畦幅(50cm)による増収効果と栽植株数の設定(指導参考)
[具体的データ]
表1表2表3図1図2

[その他]
研究課題名:てんさいの省力栽培における収量向上・安定化
予算区分 :受託
研究期間 :平成10年度(平成8〜10年)

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