花き(切り花)栽培土壌の診断指標値設定


[要約]
花き栽培土壌(作土対象)の化学性項目pH(H2O)、EC、有効態りん酸、硝酸態窒素、交換性塩基(CaO、MgO、K2O)、微量要素(Mn、Cu、Zn、B)について診断指標値を設定した。
北海道立花・野菜技術センター・研究部・土壌肥料科
[連絡先]0125-28-2800
[部会名]生産環境
[専門]土壌
[対象]花き類
[分類]指導

[背景・ねらい]
北海道で未設定の、花き栽培土壌の診断基準値について、実態調査、生理障害調査を基に、府県のデータを参考にして設定する。

[成果の内容・特徴]
  1. 作土層を対象とし、pHはH2Oで6.0〜6.5とし、ユリ、リンドウについては、別扱いとした。
  2. 電気伝導度(EC)は、施肥前と施肥〜植え付けまでを区別し、施肥〜植え付けまでの基準値はCEC別に3段階設けた。
  3. 有効態りん酸(P2O5)は、花き類ではりん酸増肥効果の少ない品目が多く、10〜20mg/100g(トルオーグ法)に設定した。
  4. 硝酸態窒素(NO3-N)は、収穫後5mg/100g以下とし、それ以上の場合、残存窒素を評価し施肥対応することとした。
  5. 交換性の塩基類(CaO、MgO、K2O)の含量、石灰飽和度については、野菜の基準値を準用した。
  6. 石灰・苦土(Ca/Mg)比は、4〜8(当量比)で野菜の基準と同じとしたが、苦土・加里(Mg/K)比については、野菜の基準で2以上で範囲を示されていなかったが、本基準では、2〜4の適性範囲を設けた。
  7. 微量要素(B、Mn、Zn、Cu)については、野菜畑では示されていないが、本基準では、普通畑の基準値を準用し設定した。

[成果の活用面・留意点]
  1. 切り花栽培土壌を対象とする。

[平成10年度北海道農業試験会議における課題名及び区分]
課題名:花き栽培土壌の養分実態と土壌診断指標(指導参考)

[具体的データ]
表1

[その他]
研究課題名:花きハウスの肥効調節型肥料利用と施肥位置改善による負荷軽減効果
予算区分 :補助(国費)
研究期間 :平成10年度(平成10〜12年)

戻る