除草剤DBNに関するかぼちゃ異常果の発生とその判定法


[要約]
DBNを処理したほ場にかぼちゃを栽培すると異常果が発生する。異常果発生生ほ場土壌のDBN残留分析による発生予測は困難であるが、異常果の非破壊判定法として水浸漬法は有効である。
北海道立中央農業試験場・環境化学部・環境保全科北海道立中央農業試験場・農産化学部・流通貯蔵科
[連絡先]01238-9-2001
[部会名]生産環境
[専門]生理
[対象]果菜類
[分類]指導

[背景・ねらい]
DBN剤処理した跡地にかぼちゃを栽培すると異常果が発生することは既知のことであるが、しかし本剤は樹園地、非農耕地、麦畑等に広く使用されていること、異常果の判定は生育途中では出来ないことにより、異常果は今なお局地的かつ散発的に発生している。
 そこで本剤による発生の確認と症状、かぼちゃ果実への残留性と品質を解析し、非破壊で異常果を判定できる簡易評価法を検討した。

[成果の内容・特徴]
  1. DBNを土壌処理した跡地に、かぼちゃを栽培すると、3年目でも高頻度に異常果が発生することを確認した(表1)。
  2. 異常果の発生したほ場土壌のDBN残留値は検出限界(2.0μg/kg)前後と微量で、土壌分析による発生予測は困難である。
  3. 作物残留分析法を改良して、DBNの検出限界濃度を0.5μg/kgにすることが出来る。これにより異常果に0.5μg/kg以上の残留を認めればDBNによると判断できる(表2)。
  4. DBN処理土壌に栽培したかぼちゃは着果数が増加し、1果重が減少する傾向が認められる(表3)。
  5. DBNによる異常果は、種子の形成が皆無が不完全であり、果肉内部に水浸状の白斑が認められ、異常果の多くは貯蔵性も劣り、内部成分として澱粉含量が低い傾向が認められた。
  6. 非破壊異常果判定法として水浸漬法(スキーム1)は、果実を水浸漬したときの安定性を3段階に分け、安定を正常果(適合率96.0%)、不安定および反転(浮かんでこないものを含む)をDBNによる異常果(適合率87.5%)と判定することが出来る。

[成果の活用面・留意点]
  1. 本判定法は対象品種は「えびす」である。
  2. DBNを処理したほ場においてかぼちゃに異常果が発生しなくなる年数は明らかでないため、かぼちゃ栽培ほ場、苗土にはDBN使用歴のないものを使用する。

[具体的データ]

[その他]
研究課題名:かぼちゃの低品質果発生要因解明と対策技術開発
予算区分 :道費
研究期間 :平成10年度(平成8〜10年)

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