ジャガイモそうか病対策における資材施用法改善
- [要約]
- 土壌酸度調整資材をばれいしょ植付け前に表面散布すれば表層10cmをpH5.0に調整する従来法の半量でジャガイモそうか病に対する同等の防除効果が得られる。また酸度調整資材と硫安作条施用を併用すれば防除効果が高まる。
北海道立十勝農業試験場・研究部・土壌肥料科
[連絡先]0155-62-2431
[部会名]生産環境
[専門]作物病害
[対象]いも類
[分類]指導
- [背景・ねらい]
- ジャガイモそうか病の発病軽減対策である土壌酸度調整資材の施用法を改善することにより資材施用量の低減をはかる。また硫安作条施用が発病に及ぼす影響を検討する。
- [成果の内容・特徴]
- 表層10cmをpH5.0にする資材量の半量をばれいしょ植付け前に表面散布すると、従来法と同等の発病抑制効果が得られる(表1)。この方法によるばれいしょの収量、でん粉価への影響はない。
- 硫安の施用量増加に伴って土壌pHの低下や交換酸度y1の上昇が認められるが、pHの低下に伴うy1の上昇が比較的小さい土壌(pH5.0でy1 2以下)では発病を十分に抑制するために窒素で20kg/10aの施用が必要であり(表2)、標準施肥量(8kgN/10a)での硫安作条施用による発病抑制は困難である。
- 酸度調整資材処理と硫安作条施肥を組み合わせることは防除効果を高める方向に働く。また組合せ処理を行ってもばれいしょの生育に影響はない(表3)。
- [成果の活用面・留意点]
- 発病いも率15%程度を目標として、発病いも率30%程度以下の圃場に活用する。作土のpHが5.5以下の圃場への資材の施用は避ける。資材としては肥料登録のあるフェロサンドを用いる。
- 資材の表面散布はばれいしょ植付け前に行う。ばれいしょ収穫跡地はプラウによる耕起を行い、土壌pHの回復を図る。
- 平成11年度北海道農業試験会議成績会議における課題名及び区分
- 課題名:土壌酸度調整資材の表面散布によるジャガイモそうか病の軽減対策と硫安作条施用の評価(指導参考)
- [その他]
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研究課題名:ジャガイモそうか病総合防除法開発試験
II.土壌環境改善による発病抑制技術の開発
予算区分 :受託
研究期間 :平成11年度(平成9〜11年)
研究担当者:田村 元、東田修司、山神正弘、田村 修
発表論文等:ジャガイモそうか病防除のため効率的な土壌酸度調整資材の施用法
日本土壌肥料学会講演要旨集 (1999)
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