土壌成分マップに基づく施肥量制御技術


[要約]
土壌成分マップと施肥標準マップから作成した必要施肥量マップに従い施肥量制御可能な施肥機(開発機)の実施肥量は設計値の約95%である。
北海道立中央農業試験場・生産システム部・機械科
[連絡先]01238-9-2001
[部会名]総合研究(農業物理)
[専門]機械
[対象]
[分類]研究
[背景・ねらい]
精密農業は環境負荷の低減と収益性の向上を目的とし、圃場マップの作成手法やマップに基づく作業の実用化技術の開発が求められている。これら精密農業のための要素技術として必要施肥量マップに従って施肥量制御を行う施肥機(開発機)によるてんさい圃場のマップ施肥システムの検討を行う。
[成果の内容・特徴]
  1. 2haのてんさい圃場内で20mメッシュ、60地点からサンプリングした土壌の熱水抽出性窒素分析値(図1)と、施肥標準に基づく必要施肥窒素量マップ(図3)を作成し、2種の肥料の施肥量を別々に制御する施肥機(開発機:図2)により行ったマップに従った実施肥量は設計値の約95%である(表1)。
  2. マップ施肥区の窒素施肥量を慣行区より20%少ない設計としたが、修正糖量はマップ施肥区が618kg/10a、慣行区は627kg/10aと同程度である(表2)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 開発した技術要素は精密農業研究に活用できる。
  2. 実証データを蓄積し、その解析を行う必要がある。
  3. 土壌成分の省力的かつ迅速な分析法およびサンプリング手法の開発が必要である。

平成12年度北海道農業試験会議成績会議における課題名及び区分
課題名:精密農業のための圃場マップ作成と収量センシング技術(研究参考)
[その他]
研究課題名:大規模農業向け精密自律走行作業支援システムの開発研究
      (精密農業のための圃場空間マッピングと作業機開発)
予算区分 :受託(地域コンソーシアム研究開発事業)
研究期間 :平成12年度(平成10〜12年)
研究担当者:関口建二, 原 令幸, 竹中秀行, 原 圭祐
発表論文等:なし

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