GPSを用いたキャベツの圃場生育マッピングシステム


[要約]
画像処理とGPSを用いて、圃場内における個々のキャベツの初期生育量と位置を同時に取り込むためのシステムである。これによって短時間で多数のキャベツ個体のデータを収集し、生育のバラツキを調べることができる。
[キーワード]
  キャベツ、投影葉面積、初期生育量、画像処理、GPS、マップ化
[担当]北農研・総合研究部・総合研究第2チーム
[連絡先]電話0155-62-9284、電子メールmhachiya@naro.affrc.go.jp
[区分]北海道農業・総合研究、共通基盤・作業技術
[分類]科学・参考

[背景・ねらい]
土地利用型野菜の生産においては、省力化が要求される一方で生産物の高度な均一化と新たな管理作業体系が求められる。特に野菜においては収穫作業の効率化を目指して、各々の栽培管理作業と収穫時の生育の斉一性との関係を明らかにする必要がある。そこで、作物個体の生育量に着目してGPSデータと投影葉面積に基づく省力的なマッピング手法を確立する。
[成果の内容・特徴]
 
1. 簡易に土壌と作物を分離するための赤外領域専用(650nm〜)のフィルタを装備したモノクロカメラ、画像処理ボード、RTK-GPS、光ファイバ姿勢計測装置、及びこれらのデータを処理するパソコンを管理作業車に搭載したシステム(図1)で、生育初期段階のキャベツ個体情報を収集し、マップを作成する。
2. システムは、連続的に畦上80cmの高さからキャベツを1個体ずつその投影葉面積を計測すると同時に、個体の位置座標をファイルに記録する。画像処理過程において、ラベリング処理後の図形の一部が画像の周縁にかかる場合はその図形を消去し、個体全体の画像が取り込まれた時点で"1個体"と自動認識する。
3. オイラー角の定義にしたがってシステム搭載車両の姿勢を記述し、GPSによる位置データ(平面直角座標系)をGPSアンテナ位置からカメラの光学中心位置へと補正した上で、画像内の個体重心位置に基づいて画像座標系から地上座標系に変換する。作物の葉柄が細くて一個体の葉身が複数の図形に分かれた場合、各図形の重心を平均して当該個体の重心位置とする。
4. 収穫時のキャベツ球重と相関(r>0.7、図表略)がある第4〜5葉期までの生育ステージにおいて、画像処理結果は生重等計測値と強い相関(r>0.9)があり(表1)、これを作物生育量として利用可能である。
5. 0.2m/s程度の走行速度で安定した画像データが得られ、約3.0a/hの能率でデータを収集する。収集したデータをもとに、簡易に生育マップを作成することができる(図2)。作成したマップからは、一筆圃場におけるキャベツ個体ごとの生育初期の生育ばらつきや欠株などの生育状況を容易に確認することができる。
[成果の活用面・留意点]
 
1. 簡易に多数のデータが得られることから、作物の斉一化に向けた圃場・栽培条件や品種の適応性等を検証するための試験用ツ−ルとして利用できる。
2. 計測対象は、主に生育初期の葉茎菜類(キャベツの場合は第4〜5葉期まで)とする。
[具体的データ]
 
[その他]
研究課題名: GPS利用による初期生育情報のマップ化手法の確立
予算区分: 軽労化農業
研究期間: 1999〜2002年度
研究担当者: 八谷 満、山縣真人、小島 誠


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