汎用コンバインによる水稲直播用種子の収穫技術
(水稲直播用品種種子の機械収穫乾燥実用化)


[要約]
汎用コンバインによって直播用種子の機械収穫が可能である。籾水分が26%以上では圃場における苗立率が低下するおそれがあるため、26%未満になってから収穫することが望ましい。
[キーワード]
  水稲湛水直播、種子生産、苗立率
[担当]中央農試 生産システム部・機械科、栽培システム科
[連絡先]電話01238-9-2287、電子メールtakenaka@agri.pref.hokkaido.jp
[区分]北海道農業・総合研究
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
種子用自脱コンバインで収穫した水稲種子は、低温での発芽率がはさ掛け乾燥した種子よりも低下するので、脱穀機構の異なる汎用コンバインにより、水稲直播用種子の低温発芽率および苗立率を低下させない収穫条件を明らかにする。
[成果の内容・特徴]
 
1. 「ゆきまる」を汎用コンバインで収穫すると、刈取水分26%未満では、種子の圃場苗立率ははさ掛け乾燥した種子と同等である。刈取水分28〜29%では圃場での苗立率は低下する(図1)。
2. 種子(玄米)の損傷程度が大きいほど圃場における苗立率は低下し、機械的損傷が苗立率低下要因の一つと考えられる(図2)。
3. 脱穀時の損傷低減のため、汎用コンバインの機関回転数を下げ、シリンダ周速度を低下させると、種子の15℃発芽率や圃場苗立率への影響は判然としないが、流量が低下するとともに、脱穀選別損失、枝梗付着粒率が増加する(表1)。このため、汎用コンバインの運転条件は回転数を落とさない通常運転で使用する。
[成果の活用面・留意点]
  汎用コンバインを用いて「ゆきまる」を直播用種子として収穫する際の参考とする。
[具体的データ]
 
[その他]
予算区分: 道費
研究期間: 2000〜2001年度
研究担当者: 竹中秀行、前田 博


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