搾乳施設の汚水を対象とした低コスト浄化施設


[要約]
牛乳処理室などから排出されるふん尿混入の少ない汚水を対象とした低コストな浄化施設である。BOD、SS除去率は、95%以上で排水基準を満たす。また、活性汚泥沈殿率(SV)を30%以下に制御することにより厳寒期の浄化能も大幅な低下がなく、周年運転が可能である。
[キーワード]
  牛舎排水、活性汚泥法、厳寒期、除去率
[担当]根釧農試・研究部・酪農施設科
[連絡先]電話01537-2-2004、電子メールkimurayo@agri.pref.hokkaido.jp
[区分]北海道農業・総合研究
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
牛乳処理室などから排出されるふん尿混入の少ない汚水を対象とした、低コストな浄化施設の浄化処理能力および厳冬期での利用性を検討し、排水基準を満たす浄化施設を開発する。
[成果の内容・特徴]
 
1. 搾乳施設の汚水性状は機械室・牛乳処理室・搾乳室の作業通路から排出されたふん尿混入の少ない汚水(1)と、これに搾乳ストール・牛用通路の洗浄水が加わったふん尿混入の多い汚水(2)の2種類に分類される(図1)。
2. 開発した浄化施設は汚水(1)を対象とし、施設は前処理、一次処理および二次処理の3施設で構成される(図2)。SS:550mg/L、BOD:810mg/L(2001年度、根釧農試の排出汚水の最大値、成牛90頭規模)を設計値とし、一日当たりの処理量を1m3として施工できる。施工費は排水量1m3当たり約96〜136万円である。
3. 曝気槽内の活性汚泥沈殿率(SV)を30%(SV30)以内に余剰汚泥処理することにより、温暖期におけるSSおよびBOD除去率は、それぞれ95.2%、96.6%と高い値を示す。また、T-N除去率は37.9%と低いが、T-P除去率は73.3%である(表1)。厳寒期の浄化能は温暖期に比べ4〜8ポイント低下したが、大幅な浄化能の低下は見られない(表2)。年間の運転コストは約1.1万円である。処理水は中水利用ないし地下浸透できる。
4. 日量5Lの廃棄乳が添加された汚水(BOD:1140mg/L)の浄化能は、定常運転に比べ低下するが、排水基準を満たす。日量10Lの廃棄乳添加(BOD:1750mg/L、設計限界負荷の1.7倍)では、窒素、リンの排水基準(日平均)を満たすことができない (表3)。
[成果の活用面・留意点]
 
1. 搾乳施設の汚水浄化施設の計画・設計・利用管理の資料として活用される。
2. 対象搾乳施設の汚水性状の事前調査が必要である。汚水(2)が排出される搾乳施設では通路場の糞尿除去作業後の汚水負荷を基に施設を設計する。
[具体的データ]
 
[その他]
研究課題名: 牛乳処理室等の排水を対象とした低コスト浄化施設の開発
予算区分: 国費受託(バイオリサイクル(畜産))
研究期間: 2000〜2002年度
研究担当者: 木村義彰、大越安吾、高橋圭二


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