1. |
併給飼料中の圧片トウモロコシに対す大豆粕の比率を変えたL区(CP8.2%)とM区(CP13.6%)では、各放牧期において両区のMUN濃度に有意な差が認められる。併給飼料のCP含量の違いは、MUN濃度に大きく影響する(図1)。 |
2. |
併給飼料中のビートパルプと圧片トウモロコシの比率を変えたBP区(NDF33.0%)、M区(NDF24.4%)では、ビートパルプを多給したBP区は、M区より放牧草摂取量が低く、TDNおよびCP摂取量も低い。その結果、各放牧期においてTDN/CP比およびMUN濃度に有意な差は認められない(図2)。 |
3. |
併給飼料を変更した場合、給与変更日の翌日からMUN濃度に反映する(図3)。 |
4. |
コーネル正味炭水化物・蛋白質システムにおけるルーメン内窒素バランスとMUN濃
度は、強い相関があり(r=0.84)(図4)、ルーメン内窒素バランスが0g/日の時、
推定MUN濃度は11.4mg/dlとなる。
|
5. |
日本飼養標準の推奨養分含量(4.9〜5.3)に基づくTDN/CP比からMUN濃度を推定すると、10.1〜12.1mg/dlとなる。また、日本飼養標準で推奨されている放牧期TDN/CP比の下限値4の時、MUN濃度は17.2mg/dlと推定される。 |
6. |
以上のことから、放牧期におけるMUN濃度は10〜12mg/dlが適正値であり、上限値として17mg/dlが目安となる。また、MUN濃度は飼料変更後、翌日には変動することから、サンプリング前日および当日の放牧状態や併給飼料の変更には注意を要する。 |