1. |
フスマ、米糠を用いた還元消毒によって作土層のFusarium oxysporum(イチゴ萎黄病菌、ホウレンソウ萎凋病菌)の密度が低下し、防除法として有効である。また、ナス半身萎凋病菌(Verticillium
dahliae)に対してフスマを用いた還元消毒で防除効果が認められる。 |
2. |
サツマイモネコブセンチュウに対するフスマを用いた還元消毒は、作土の線虫密度を減少させる。しかし、その後に栽培したトマトにネコブの発生が認められたため、下層土の消毒は不完全である。 |
3. |
アブラナ科根こぶ病菌に対しては、還元消毒の効果は認められない。 |
4. |
糖蜜を用いた還元消毒のモデル試験で(0.6%(w/w)濃度で150mmの水量を土壌中に潅注)はトマト萎凋病菌(F. oxysporum)、V.
dahliae、青枯病菌に対し深さ50cmまでの消毒が可能である(表1)。また、トマト萎凋病菌(F.
oxysporum)、ナス半身萎凋病菌(V. dahliae)に対する実証試験で、下層土まで高い防除効果認められた(表2)ことから下層土までの防除法として有効である。 |
5. |
糖蜜を用いた還元消毒によって易還元性のMnが増加し、NO3-Nが減少したが、作物の生育には影響は無いと考えられる。 |
6. |
ハウスサイドの内側に断熱材(厚さ5cm、深さ45cm)を埋設することでサイドから30cm、地下30cm地点で地温が約1.5℃上昇し、ハウスサイド内側の消毒効果を高めることができる。 |
7. |
以上のことから、作土層のみの消毒で良い場合は従来のフスマ、米糠を用いた還元消毒、深根性の作物を対象とする場合は糖蜜を用いた還元消毒を行うことが望ましい。 |