小麦α−アミラーゼ活性測定のための簡易迅速前処理システム


[要約]
農業現場で活用しやすい簡易迅速な小麦α−アミラーゼ抽出法とドライケミストリー法による分析装置を組み合わせた測定システムを用いることにより、1点あたりの分析時間がおよそ12分、また3名の人員配置により連続操作することで1時間あたり約25点の分析が可能である。
[キーワード]
  小麦、α−アミラーゼ、ドライケミストリー法
[担当]中央農試・農産工学部・農産品質科
[連絡先]電話01238-9-2001、電子メールokumuros@agri.pref.hokkaido.jp
[区分]北海道農業・流通利用
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
農業現場で活用しやすい簡易迅速な小麦α−アミラーゼ抽出法とドライケミストリー法による分析装置を組み合わせることにより、小麦原粒に対応可能なα−アミラーゼ活性測定システムを開発する。
[成果の内容・特徴]
 
1. 内刃・外刃サイズおよび突出口の形状等を改良した麦専用ジェネレーターを用いてホモジナイズすることにより、安定かつ効率的な小麦粒の破砕が可能である(図1)。
2. 麦専用ジェネレーターと1Lポリ容器との位置関係を偏心2.0cm、クリアランス4.0cmとすることで、安定した水流が得られ、効率的に小麦粒を破砕することが可能である。農業現場での作業性を考慮した場合、回転数8,000rpm、破砕時間120秒が抽出条件として適当である(表1図2)。
3. α−アミラーゼ測定システムを用いることにより、1点あたりの分析時間がおよそ12分、また3名の人員配置により連続操作することで1時間あたり約25点(前処理装置二台稼動で35点)の分析が可能である。(表2)。
[成果の活用面・留意点]
 
1. ドライケミストリー法を用いたα−アミラーゼ活性測定システムは、小麦子実中のα−アミラーゼ活性を簡易かつ迅速に測定できる。
2. 水道水の温度が極端に低い地域および時期には、抽出液の温度を調整するため適当な加温操作が必要である。
[具体的データ]
 
[その他]
研究課題名: 小麦α−アミラーゼ活性測定のための簡易迅速前処理システムの開発
予算区分: 共同研究
研究期間: 2001〜2002年度
研究担当者: 奥村 理、加藤 淳
発表論文等: 奥村ら(2002)日本土壌肥料学会北海道支部秋季大会講演要旨集p5


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