秋まき小麦に対する可変追肥のための葉色センシング技術


[要約]
トラクタ搭載型の分光反射センサにより秋まき小麦の葉色や生育量の変動が把握でき、センシング時期に応じて圃場内における収量や子実蛋白含有率のばらつきが推定できる。
[キーワード]
  葉色センサ、可変追肥、秋まき小麦、収量、子実蛋白含有率、倒伏
[担当]中央農試・生産システム部・機械科、栽培システム科
[連絡先]電話01238-9-2001、電子メールharakei@agri.pref.hokkaido.jp
[区分]北海道農業・総合研究
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
秋まき小麦の生育は、圃場内においても土壌肥沃度や施肥ムラなどの要因によりばらつきがあり、安定生産のためには生育変動を軽減する技術が必要である。本試験ではトラクタ搭載型センサによる秋まき小麦葉色のセンシングと収量、子実蛋白含有率、倒伏との関係を検討する。
[成果の内容・特徴]
 
1. 供試センサはトラクタ搭載型のN-sensor(Hydro Agri社製)で、トラクタの前方左右、後方左右の4方向を測定域とする4つの受光部(俯角26°、視野角12°、前後方向角45°)および入射光測定用受光部からなる分光反射センサである(図1参照)。分光測定データは専用のコントローラ内部で演算処理が行なわれ、1秒間隔でSV値と呼ばれる指標がモニタに表示される。
2. 定置試験におけるSV値の変動は特に午前中や雨天時、日射量の変動が大きい条件で顕著である(図2)。測定条件は曇天もしくは快晴日の12時から14時頃が適している。
3. 秋まき小麦の幼穂形成期以降におけるSV値は、SPAD値と高い正の相関を示し、圃場、生育時期、播種量を問わずほぼ同一に近い直線で回帰できる(図3)。また、SV値は生育時期全般において葉色と生育量を反映した生育指標、例えば窒素吸収量のような指標と相関が高い(図4)。
4. 秋まき小麦の幼穂形成期におけるSV値と収量との間に正の相関が認められ、SV値により圃場内における収量のばらつきが推定できる(図5)。
5. 止葉期から開花期におけるSV値と子実蛋白含有率との間に圃場ごとに正の相関が認められ、SV値により圃場内における子実蛋白含有率のばらつきが推定できる(図6)。
6. 幼穂形成期のSV値が大きい箇所では倒伏が多い傾向にあり、圃場内の倒伏危険箇所が推測できる(図7)。
7. 以上のことから本センサは、センシング時期に応じて収量や子実蛋白含有率の均一化、倒伏の軽減を目指した可変追肥への応用の可能性がある。
[成果の活用面・留意点]
 
1. 秋まき小麦に対する可変追肥を検討する際の参考とする。
[具体的データ]
 
[その他]
研究課題名: 葉色センサを利用した小麦の追肥技術
予算区分: 民間共同
研究期間: 2001〜2002年度
研究担当者: 原 圭祐、渡辺祐志、竹中秀行、関口建二、石井耕太


目次へ戻る