ヤーコンの育苗条件と生育、収量


[要約]
ヤーコンの紙筒育苗は、ポリポット育苗に比較して生育、収量でやや劣るものの、育苗、定植作業の大幅な省力化が可能である。未萌芽種塊茎を植え付け、ポリポットは35日育苗、紙筒は28日または35日育苗がよい。
[キーワード]
  ヤーコン、省力化、ポリポット育苗、紙筒育苗
[担当]花野菜セ・研究部・野菜科
[連絡先]電話0125-28-2800、電子メールuenorei@agri.pref.hokkaido.jp
[区分]北海道農業・作物
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
機能性成分を多く含むヤーコンは今後の需要の増加が見込まれており、生育特性が北海道の気候に適合し府県温暖地よりも多収を示すため新規導入作物として注目されている。北海道におけるヤーコンの育苗条件と生育、収量の関係についてポリポットと紙筒を用いて検討する。
[成果の内容・特徴]
 
1. 紙筒(V-5:径50mm)育苗は、収穫時茎葉総生重および塊根総収量ではポリポット(径105mm)育苗に及ばないが(表2)、育苗床面積が20%、育苗土量が52%、定植作業時間が4%(半自動移植機使用)であり、育苗・定植の大幅な省力化が可能である(表3)。
2. 植え付け利用部位として、未萌芽種塊茎、萌芽種塊茎、萌芽芽のみの3形態のうちでは、育苗時の苗の揃い、収穫時の収量性の両面から、未萌芽種塊茎が最も有効である。
3. 根鉢の形成は育苗日数が長いほど進むが、21日育苗では不十分であった。ポリポット育苗は根鉢形成、苗生育、畑生育、収量性から35日育苗が有効である。紙筒育苗は根鉢形成、苗生育から28日育苗、収量性から35日または28日育苗が有効である。両育苗法とも種塊茎重による収量の差は認められない(図1)。
[成果の活用面・留意点]
 
1. 北海道へのヤーコン栽培導入の参考とする。
2. 温室(最低気温設定15℃)育苗、5月下旬定植〜10月下旬収穫の露地栽培による成績である。
[具体的データ]
 
[その他]
研究課題名: ヤーコンの紙筒育苗による育苗法に関する試験
予算区分: 受託
研究期間: 2000〜2002年度
研究担当者: 植野玲一郎、地子 立


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