1頭当たりの飼槽幅確保による乳用種去勢牛の肥育成績向上


[要約]
2戸の肥育センターにおいて1頭当たりの飼槽幅が異なる牛群を対象に調査を行った。乳用種去勢牛の肥育期間に1頭当たりの飼槽幅を広く確保することによって、採食および横臥休息が制限されないことが観察され、肥育成績が向上する。
[キーワード]
  乳用種去勢牛、肥育、飼槽幅、行動、肥育成績
[担当]道畜試・家畜生産部・肉牛飼養科、育種科、畜産工学部・代謝生理科
[連絡先]電話01566-4-5321、電子メールkuzuoksu@agri.pref.hokkaido.jp
[区分]北海道農業・畜産草地
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
北海道の乳用種肥育牛舎は、従来から府県と比較し牛房の収容頭数が多く、1頭当たりの飼槽幅が狭い施設が多かったが、飼養頭数の拡大によりその傾向がより強くなった。牛房の収容頭数が増加し、1頭当たりの飼槽幅が減少すると、肥育牛の採食や横臥休息等の行動に対する悪影響や日常管理の上で全頭に目が行き届きにくいなどの問題点が指摘されている。しかし、1頭当たりの飼槽幅を十分確保することが肥育成績に有利かどうかについては明らかにされていない。
そこで本課題は、1頭当たりの飼槽幅が異なる管理下で肥育する去勢牛の群行動を調査するとともに、19〜20ヶ月齢で出荷した1,183頭の肥育成績を解析した。
[成果の内容・特徴]
 
1. 十勝管内の2戸の肥育センターにおける1頭当たりの飼槽幅が異なる牛群(表1)の行動調査では、1頭当たりの飼槽幅が狭い牛群では幅広い時間帯にわたる採食行動(図1)が観察され、横臥休息の中断が頻繁に観察される。
2. 行動調査の対象とした牛群の増体および枝肉成績について解析を行うと、1頭当たりの飼槽幅が広い牛群では日増体量が高く、出荷体重および枝肉重量が大きい傾向にある。また、肉質3等級の頭数割合が高くなる傾向にある。
3. 1頭当たりの飼槽幅の違いによる肥育成績への影響を詳細に検討するため、Aセンターから平成13年1月から6月の間に、Bセンターから平成12年3月から13年2月の間に出荷されたホルスタイン種去勢牛群計1,183頭の肥育成績について解析を行うと、1頭当たりの飼槽幅が広い牛群では肥育期間の日増体量が高く、出荷体重および枝肉重量が大きい(表2)。また、肉質3等級の頭数割合が高い傾向にある(表2)。
4. 枝肉の販売額は1頭当たりの飼槽幅が広い牛群で約1万円高くなる(表3)。
以上の結果から1頭当たりの飼槽幅を広く確保することにより、日増体量が高くなり、肥育成績が向上する。
[成果の活用面・留意点]
 
1. 1頭当たりの飼槽幅を確保することで、肥育成績の改善が期待される。
2. 飼槽幅の目安として「北海道における乳用去勢肉牛の生産技術と経営」(ホクレン;60cm)等の指標に準ずること。
[具体的データ]
 
[その他]
研究課題名: 1頭当たりの飼槽幅確保による乳用種去勢牛の肥育成績向上
予算区分: 共同研究(民間等)
研究期間: 2000〜2002年度
研究担当者: 葛岡修二、八代田千鶴、杉本昌仁、佐藤幸信、斉藤利朗


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