脱水ライムケーキ(ビートライム)の酸性矯正力と畑地への適正施用量


[要約]
ビートライムは溶解性が高くpHの上昇が早いが、酸性矯正力や作物の生育収量に及ぼす効果は炭カルと同等である。畑地でのビートライムの施用量は炭カルの1.2倍量程度である。
[キーワード]
  ライムケーキ、酸性矯正
[担当]十勝農試・生産研究部・栽培環境科
[連絡先]電話0155-62-9837、電子メールtamurahajime@agri.pref.hokkaido.jp
[区分]北海道農業・生産環境
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
てんさい糖の生産工程における副産物「ライムケーキ」の有効利用として農地還元が推進されているが、これまでに検討されているのは草地への利用に関するものである。本試験ではビートライムの溶解特性や移行性を明らかにし、主に酸性矯正力の面から畑土壌に対する施用効果を検討すると共に、適正施用量の指針を設定する。
[成果の内容・特徴]
 
1. ビートライムは水分約30%、アルカリ分38%前後で、市販炭カル(水分0%、アルカリ分53%)と比べるとアルカリ分がやや低いが、粒度が細かい。
2. 腐植含量や土性の異なる土壌を用いて室内培養を行うと、いずれの土壌でもビートライムのpH上昇が早く培養1日でほとんどピークに達し、短期的な酸性矯正力は炭カルより大きい(図1)。
3. 資材を施用した後ロータリー混和を行ってpH上昇部位並びにカルシウムの移行性について比較すると、混和深10cm程度まではpHの上昇がみられるが、その下の層ではほとんど変化はなく(表1)、ビートライムの移行性は炭カルと同程度である。
4. ビートライムおよび炭カルを低pHの枠圃場に施用し、てんさいと小豆を栽培すると、両資材の施用により土壌pHが上昇し、てんさい及び小豆の収量が高まる。ビートライムの増収効果は炭カルと同程度である(表2)。
5. 通気法による緩衝曲線では、現物量を横軸にとると最終的な酸性矯正力は炭カルの方がビートライムを上回るが、アルカリ量で比較した場合は後者の酸性矯正力が若干上回る(図2)。また緩衝力が小さい土壌ではビートライムで急激なpHの上昇がみられる。
[成果の活用面・留意点]
 
1. 本資材は水分含量がやや高く塊になりやすいので、散布むらや多量散布にならないように専用の散布機(ライムケーキスプレッダ)を使用することが望ましい。
2. 投入量の決定には「資材添加・通気法」による緩衝曲線から算出することが望ましいが、「アレニウス氏表」を利用する場合には、現物で炭カルの1.2倍量程度とする。
3. 緩衝力が小さい土壌(腐植含量が2%以下で砂質な場合など)では過剰施用にならないよう、緩衝曲線により投入量を決定する。
[具体的データ]
 
[その他]
研究課題名: 畑土壌に対する脱水ライムケーキ(ビートライム)の施用効果
予算区分: 受託
研究期間: 2001〜2002年度
研究担当者: 田村 元、中津智史、東田修司


目次へ戻る