覆土前鎮圧機構を有する浅耕逆転ロータリシーダを用いた大豆播種技術


[要約] [キーワード] [担当]北海道農研・総合研究部・北海道大豆研究チーム
[連絡先]電話011-857-9300
[区分]北海道農業・総合研究、共通基盤・総合研究、共通基盤・作業技術
[分類]技術・普及



[背景・ねらい] [成果の活用面・留意点]
  1. 開発した浅耕逆転ロータリシーダは、設定耕深が8cmの耕うん装置に、施肥装置、施薬装置、大豆の播種装置および鎮圧装置を組み合わせた作業機である。施薬装置はエチルチオメトン粒剤等の殺虫剤を施用する装置で、慣行で行われる肥料との混和作業が不要になる。また、鎮圧部は播種溝部を強鎮圧したのち、種子上に膨軟に覆土する覆土前鎮圧機構を用いる(図1)。
  2. 覆土前鎮圧で播種された大豆は、種子より下層は強く鎮圧されて毛管水の供給が高く、表層は膨軟に覆土されて降雨後の土膜の形成が抑制されることから、慣行の全面鎮圧や部分鎮圧に比べて出芽揃いが良く、出芽率も高い(図2)。
  3. 浅耕逆転ロータリシーダは、慣行の逆転ロータリシーダに比べて、同じ作業速度で所要動力が約30%軽減される。また、砕土性は慣行の逆転ロータリより若干低下するが、平均土塊直径を1cm以内に砕土でき、大豆の出芽を安定させることができる。
  4. 浅耕逆転ロータリシーダは、1工程で砕土から播種までの作業を同時に行うことから、慣行の作業体系に比べて砕土以降の工程が少なく、作業時間は1/2〜3/4に短縮される(図3)。
  5. 浅耕逆転ロータリシーダを用いた播種作業体系は、砕土性の劣る泥炭土や灰色低地土などにおいても慣行と同等の砕土性と出芽性を確保できる(表1)。
[成果の活用面・留意点]
  1. 開発機は砕土層が浅いため、心土破砕やチゼルプラウ等による耕盤破砕が必要である。
  2. 浅耕逆転ロータリシーダの製作費は250万円程度で、2005年より市販化の予定である。
[具体的データ] [その他]
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