農産物およびその加工副産物における機能性脂質セラミドの含量


[要約] [キーワード]リンゴ搾汁残渣、ビートパルプ、機能性脂質、糖脂質、セラミド [担当]北海道農研・畑作研究部・流通システム研究チーム
[連絡先]電話0155-62-9281
[区分]北海道農業・流通利用
[分類]技術・参考



[背景・ねらい] [成果の内容・特徴]
  1. 図1に示す供試試料には、いずれもセラミドが存在する。その含量は0.01〜0.94mg/gの範囲で存在しており、リンゴの搾汁残渣がもっとも高濃度のセラミドを含む。
  2. 現行のセラミド製造工程では、植物体中のステロール配糖体がセラミドの高純度精製を困難にしており、供試試料においては0.01〜0.87mg/g含まれている。
  3. リンゴ搾汁残渣のセラミド/ステロール配糖体比は1.09で、セラミドに対するステロール配糖体の割合がもっとも少ないため、セラミドの高純度精製が容易である(他の試料は0.02〜1.00)。主要な構成セラミド種は、脂肪酸が2-ヒドロキシパルミチン酸およびスフィンゴイド塩基が4-ヒドロキシ-シス-8-スフィンゲニンで、既往の植物セラミドと類似した組成である(図2)。
  4. 北海道ではビートパルプがセラミド原料として有望である。主要な構成セラミド種は、スフィンゴイド塩基としてトランス-4,トランス-8-スフィンガジエニンを含む大豆セラミドと同一構造である(図2)。
  5. 1年間に発生するビートパルプすべてから、セラミドを抽出・精製すると仮定した場合、表のように大量に生産できる。
[成果の活用面・留意点]
  1. セラミドは植物界に普遍的に分布しており、未利用資源の利活用の参考とする。
  2. 使用する品種および生産年によるセラミド含量の変動が予想される。
  3. 抽出は食品に適用できる溶媒としてエタノールを使用する。
  4. 正確なコスト試算をするには、パイロットスケールで有機溶媒抽出液からの精製試験を実施する必要がある。
[具体的データ] [その他]
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