早生で良食味の水稲新品種候補「上育445号」


[要約] [キーワード] [担当]上川農試・研究部・稲作科
[連絡先]電話0166-85-4115
[区分]北海道農業・作物
[分類]技術 ・普及



[背景・ねらい] [成果の内容・特徴]
  1. 「上育445号」は平成9年に中生・良食味系統の「上育428号」を母、極早生直播用系統の「空育159号」を父として人工交配を行い、以後選抜、固定を図ったものである。
  2. 出穂期は移植栽培で「ゆきまる」より2日早く、「ほしたろう」より3日早い“早生の早”である(表1)。直播栽培では「ゆきまる」並である。
  3. 成熟期は移植栽培で「ゆきまる」より1日早く、「ほしたろう」より2日早い“早生の晩”である。直播栽培では「ゆきまる」より1日遅い。
  4. 収量は移植栽培では「ゆきまる」より8%、「ほしたろう」より4%高い。直播栽培では「ゆきまる」より14%高い。
  5. 穂孕期の耐冷性は「ゆきまる」「ほしたろう」より強い“強”である。
  6. いもち耐病性は「あきほ」「ほしたろう」並の“中”である。
  7. 食味は「ゆきまる」に優り「ほしのゆめ」並である。
[成果の活用面・留意点]
  1. 直播栽培も可能な良食味系統の「上育445号」を「ゆきまる」「ほしたろう」の全てと栽培条件の厳しい地帯の中生品種に置き換えて作付けすることにより、北海道米の食味水準を引き上げるとともにその生産の安定化を図る。
  2. 成苗移植栽培では早期異常出穂の恐れがあるので、育苗時の適正な管理に努める。また、移植栽培では初期の分げつ性がやや劣り穂数確保が難しいので、側条施肥などにより初期生育を促進する。
  3. 直播栽培においては苗立ちが劣る場合があるので、塩水選などの種子準備や落水出芽における水管理に十分留意する。また、直播栽培を行う地帯は「落水出芽法を用いた水稲直播栽培の安定多収技術(平成16年普及推進事項)」における「ゆきまる」の栽培適地とする。さらに直播用種子の採種にあたっては、「汎用コンバインによる水稲直播用種子の収穫技術(平成15年普及推進事項)」を遵守する。

    平成17年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分
     「水稲新品種候補「上育445号」」(普及奨励)
[具体的データ] [その他]
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