グリーンアスパラガス露地栽培の品種特性および多収維持管理法


[要約] [キーワード] [担当]花野技セ・研究部・野菜科、園芸環境科
[連絡先]電話0125-28-2800
[区分]北海道農業・作物
[分類]技術・普及



[背景・ねらい] [成果の内容・特徴]
  1. 3〜9年生株の品種特性を総合すると、規格内収量に関してはオランダ育成品種(「ガインリム」、「ヴェンリム」)の方がアメリカ育成品種(「ウェルカム」、「バイトル」、「グリーンタワー」、「シャワー」)よりも多収を示す傾向にあり、「ガインリム」が最も多収である。外観品質では、アメリカ育成品種の方が頭部のしまりが良好でアントシアニン着色も少ない。茎色はオランダ育成品種が濃い。9年生株の外観品質調査結果を用いて「ガインリム」と「ウェルカム」の市販価格で販売可能な収量(上物収量)を試算すると、「ガインリム」の方が高くなるが(図1)、頭部のしまりに対する基準によって試算結果は変動するため、頭部のしまりの規格基準が高い場合は「ウェルカム」等を選択肢に入れる必要がある。
  2. 5年生株以降の収量性を安定させるための2〜4年生株に対する収穫日数は、「ガインリム」では2年生株で14日(約2週間)程度、3年生株で31日(約4週間)程度、4年生株で40〜50日程度、「ウェルカム」では2年生株で0日、3年生株で17日(約2週間)程度、4年生株で40〜50日程度を目安とする(表2)。上記日数と併せ、収穫期間中の一本重の推移も勘案し、2年生株で収量が100kg/10aを超えた場合や、平均一本重が8gを下回った場合には、上記日数に満たなくても収穫を打ち切る。
  3. 定植当年から斑点病の蔓延を抑制し(表3)、受光体勢の悪化を防ぐためにはフラワーネット等を利用した夏秋期の倒伏防止処理が効果的である。
[成果の活用面・留意点]
  1. 露地栽培における品種選択時の資料とする。
  2. 品種特性は定植3〜9年目(3〜9年生株)の評価。
  3. 倒伏防止に関する試験以外は全て夏秋期にフラワーネットによる倒伏防止処理を行った。

    平成17年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題および区分
    「グリーンアスパラガス露地栽培の品種特性および多収維持管理法」(普及推進)
[具体的データ] [その他]
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