短節間カボチャの栽培法
[要約]
短節間カボチャの栽植密度は133株/aが適当であり、育苗法は72穴セル成型苗が省力的で優れている。
[キーワード]
[担当]花野菜セ・研究部・野菜科 園芸環境科
[連絡先]電話0125-28-2800
[区分]北海道農業・作物
[分類]技術・参考
[背景・ねらい]
カボチャは北海道における重要な移出野菜であるが、育苗管理や定植、収穫作業には多大な労力を要し、一層の省力化が望まれている。
北海道農業研究センターと株式会社渡辺採種場が、栽培の省力・軽作業化に適する短節間カボチャの新品種を育成するに当たり、育成系統について栽培的視点から評価し、寒地に適する短節間カボチャの栽培法について検討する。
[成果の内容・特徴]
- 既存短節間品種「つるなしやっこ」では、栽植密度を133株/a(株間50cm、畦幅150cm)とした場合、平均一果重は重く、収量性に優れる。また、この栽植密度では、摘心の有無に関わらず内部品質の指標である乾物率に明確な差は認められない(図1)。
- 普通品種「えびす」では、72穴セル成型ポット苗を定植すると、慣行の12cmポリポット苗と比べて収量の低下が認められる。一方「つるなしやっこ」では、いずれの育苗方法でも概ね同等の収量性である(図2)。
- 72穴セル成型ポット苗の「つるなしやっこ」を栽培することにより、12cmポリポット苗の「えびす」と比べて、栽培作業に要する時間を約60%削減できる(表1)。
- 北海道農業研究センターと株式会社渡辺採種場で共同育成した短節間新系統「TC2A」の乾物率は、育苗方法によらず「つるなしやっこ」に比べて高く高粉質である(表2)。
- 「つるなしやっこ」の栽培法は、「TC2A」にも適用でき、12cmポリポット苗を利用する栽培と比べて収量性を損なうことなく省力栽培できる(表2)。
[成果の活用面・留意点]
- 本成績で検討した品種・系統は「つるなしやっこ」および「TC2A」である。
- 短節間カボチャは、普通草姿品種と比べて果皮に蔓傷が生じやすい。
平成17年度農業試験会議(成績会議)における課題名および区分
「短節間かぼちゃの栽培法」(指導参考)
[具体的データ]
[その他]
寒地における短節間カボチャの栽培方式の開発
予算区分:国費受託(ブラニチ6系等)
研究期間:1997〜2005年度
研究担当者:杉山 裕、平井 剛、長尾明宣
発表論文等:平井剛ら(2004)園学研 3(3):287-290
杉山ら(2006)北海道園研報 投稿中
目次へ戻る