ダイズの田植え後播種によるダイズわい化病の感染回避


[要約] [キーワード] [担当]北海道農研・総合研究部・大豆研究チーム、生産環境部・虫害研究室、ウイルス病研究室
[連絡先]電話011-857-9280
[区分]北海道農業・生産環境、共通基盤・病害虫(虫害)、共通基盤・総合研究
[分類]技術・参考



[背景・ねらい] [成果の内容・特徴]
  1. ジャガイモヒゲナガアブラムシは、5月末から6月にダイズ圃場へ飛来する。また、ダイズわい化ウイルス保毒虫の飛来も同様の推移を示す(図1)。保毒虫率は飛来初期が最も高く、その後減少していく(図2)。このことから、保毒虫の飛来数がより飛来初期に集中していることがわかる。
  2. 2004年は田植え後播種によってダイズの出芽が早播きより17日、標準播きより7日遅くなり、保毒アブラムシの飛来を早播きの5%未満、標準播きの35%程度まで回避している(表1)。それを反映して、わい化病感染株率は早播きで27%、標準播きで12%であるのに対して田植え後播種では約3%と顕著に低い(図3)。2005年には、田植え後播種の出芽日は早播きより12日、標準播きより8日遅いが、保毒アブラムシの飛来時期が遅れると同時にピークが分散した(図1)ことから、早播きと標準播きの70%程度の飛来を受けている(表1)。圃場での感染株率もそれに対応して、田植え後播種と早播きで約1%、標準播きで1.5%となり、田植え後播種によるわい化病軽減効果は低い(図3)。年次によりわい化病感染率に増減はあるものの、田作大豆で一般的な早播きに比べて田植え後播種では感染率が軽減される(図3)。
  3. 田植え後播種による出芽時期が保毒アブラムシの飛来ピークより後になるため、わい化病の感染が軽減される。田植え後播種によるわい化病感染軽減効果の年による違い(図3)は、各年の保毒虫飛来開始期や飛来パターンの違い(図1)で説明できる。
[成果の活用面・留意点]
  1. ダイズわい化ウイルス保毒アブラムシの飛来ピーク時期からわい化病発生率を予察するモデルを開発するための基礎データになる
  2. 本成果は、札幌市羊ヶ丘で得られた結果に基づいている。
[具体的データ] [その他]
目次へ戻る