ジャガイモシストセンチュウと近縁種を識別する遺伝子診断法


[要約] [キーワード] [担当]北海道農研・生産環境部・線虫研究室
[連絡先]電話011-857-9247
[区分]北海道農業・生産環境、共通基盤・病害虫(虫害)
[分類]技術・普及



[背景・ねらい] [成果の内容・特徴]
  1. 2期幼虫1頭を、抽出緩衝液(50 mM KCl, 10 mM Tris-HCl pH8.0, 2.5 mM MgCl2, 0.45% NP40, 0.45% Tween 20, 0.01% ゼラチン, 60 μg/ml プロテイネースK)中で切断後、温度処理することにより鋳型DNAを調製できる(図1)。
  2. rDNA-ITS領域を増幅するFerrisら(1993)のプライマー(5'-CGTAACAAGGTAGCTGTAG-3'および5'-TCCTCCGCTAAATGATATG-3')でPCR増幅(図1)を行うと、約1,000 bpの断片が得られる。増幅断片を制限酵素Alu IとHinf Iで別々に切断し、2%アガロースゲル電気泳動を行うと、泳動パターンで4種が明確に識別できる(図2)。それらの断片サイズを表1に示す。
  3. 国内のジャガイモシストセンチュウ発生地域から64地域個体群を調査したが、例外はなく他種と識別可能である。また、海外主要発生国のジャガイモシストセンチュウ及びジャガイモシロシストセンチュウの各10個体群とrDNA-ITS領域の比較を行ったが、本方法は適用可能である。
[成果の活用面・留意点]
  1. 国内に生息するジャガイモシストセンチュウと近縁種を識別する方法として使用できる。また、海外のジャガイモシストセンチュウ及びジャガイモシロシストセンチュウ個体群とも比較を行っているので輸入検疫の場面でも活用できる。
  2. ジャガイモシストセンチュウにおいて制限酵素Alu I使用時に確認される381bpと362bpのバンドは、1本のバンドと認識されることが多い(図2)。
[具体的データ] [その他]
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