馬鈴薯澱粉及び澱粉粕の脂質代謝改善効果 |
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[要約] |
リン含量の異なる馬鈴薯澱粉とそれらの澱粉の製造時に生じる澱粉粕について脂質代謝改善効果を調べたところ、リン含量の高い澱粉(高リン澱粉)及び高リン澱粉製造時に生じる澱粉粕(高リン澱粉粕)には中性脂肪及び遊離脂肪酸を低下させる傾向がある。 |
[キーワード] |
バレイショ、リン含量、澱粉、澱粉粕、中性脂肪、遊離脂肪酸 |
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[背景・ねらい] |
最近の日本においては、体脂肪、皮下脂肪あるいは肝臓中への脂肪の蓄積によって引き起こされる生活習慣病の防止が極めて重要な課題となっている。このような背景のもと、食品成分を由来とする脂質代謝改善剤の開発に高い関心が寄せられている。馬鈴薯澱粉は、エステル結合したリン酸基が他の澱粉と比べて多く、リン酸基の有する澱粉を直接摂食させた場合、澱粉中のエステル結合したリン酸基の箇所が消化されずに残る。したがって、馬鈴薯澱粉においては難消化性澱粉のような生理機能が期待できる。本研究では、リン含量の異なる馬鈴薯澱粉及び澱粉粕の脂質代謝改善効果について検討する。 |
[成果の内容・特徴] |
- リン含量の高い澱粉(高リン澱粉)及び低い澱粉(低リン澱粉)を摂取しても、コーンスターチと比べ体重や盲腸重量に変化がなく(表1)、澱粉粕の場合も同様である(表2)。したがって、消化が悪いと重くなると考えられる盲腸重量に変化がないことから、上記澱粉及び澱粉粕は、十分消化されているものと考えられる。
- 高リン澱粉を摂取すると、コーンスターチと比較して中性脂肪は約30%低い値で、遊離脂肪酸も有意に低下するのに対し、総コレステロール(T-CHOL)は下げない(表3)。低リン澱粉の中性脂肪及び遊離脂肪酸低下作用は、高リン澱粉ほど顕著でない(表3)。
- 高リン澱粉粕は、中性脂肪及び遊離脂肪酸の低下作用がみられるのに対し、T-CHOL低下作用はみられない(表4)。
- 高リン澱粉及び低リン澱粉を摂取しても短鎖脂肪酸の増加は認められないが、高リン澱粉粕を摂取すると短鎖脂肪酸の有意な増加がみられる(図1)。澱粉粕にはペクチン等の食物繊維成分が含まれているため、盲腸内の発酵が促進されたものと考えられる。
- 代表的な農産副産物由来の食物繊維素材であるオカラ、アズキ餡粕では、中性脂肪低下作用がみられない(図2)。
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[成果の活用面・留意点] |
- 本成績は、高リン澱粉及び高リン澱粉粕から健康食品等の飲食品や飼料の製造産業において有用である。
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[具体的データ] |
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[その他] |
研究課題名 |
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いも類・雑穀等の機能性の解明と利用技術の開発 |
課題ID |
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312-a |
予算区分 |
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異分野融合 |
研究期間 |
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2003〜2006年度 |
研究担当者 |
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野田高弘、橋本直人 |
発表論文等 |
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