トマト雨よけ夏秋どり作型におけるセル成型苗の直接定植条件 |
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[要約] |
慣行ポット苗育苗に比べて、労働時間を育苗時間で98%、定植時間で60%短縮できる栽培法を提案する。とくに水稲とトマト栽培地帯で春の作業が競合する場合に役立つ栽培方法である。 |
[キーワード] |
トマト、セル成型苗、直接定植、土壌水分、栽植密度、省力化 |
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[背景・ねらい] |
道産トマトの主要な作型である雨よけ夏秋どり作型は、トマトの育苗期間中に水稲の移植作業と競合するため、その期間の育苗管理が多大な負担となっている。トマトセル成型苗直接定植は育苗および定植作業の省力化を可能とするが、初期生育が旺盛で心止まりや生理障害果が発生しやすい欠点がある。そこで、トマトセル成型苗直接定植の安定生産技術の確立を図る。 |
[成果の内容・特徴] |
- セル成型苗直接定植では、基肥量を窒素量で8kg/10a程度(現地慣行施肥量)とすると、心止まり株率は高いものの生育後半の草勢が安定し慣行ポット苗定植とほぼ同程度の良果収量、Brixを確保することができる(表1)。
- 定植時の土壌表層は乾燥していることが必須条件であるので、ベット形成後直ちにマルチをせず、土壌表層の乾燥を確認してからマルチをする(図2)。
- セル成形苗直接定植の栽植密度は2条植えの畦幅200cmでは、慣行程度の株間35〜40cm(2500~2857本/a)とすると慣行ポット苗定植と同程度以上の良果収量が得られ、Brixの低下もみられない(図1)。
- セル成型苗の1株当たりの定植作業時間は12.3秒で、ポット苗(47.4秒)に比べて74%の省力となる(表2)。
- セル成型苗直接定植の10a当たりの投下労働時間は慣行ポット育苗に比べ全期間では8%の短縮であるが、育苗期で98%、定植期で60%の減少となり、育苗・定植時の省力効果が著しい。(表2)。
- この栽培方法の定植時および管理作業の注意点は図2のとおりである。
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[成果の活用面・留意点] |
- ハウス雨よけ夏秋どり作型で、トマト育苗管理が水稲移植作業と競合する作期に有効である。
- 定植時に土壌表層がムラなく適正な乾燥状態となるようにハウス準備を行う。なお、本試験は壌土圃場で行った。
- 第3、4、5花房付近で心止まりする場合があるので注意する。
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[具体的データ] |
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[その他] |
研究課題名 |
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トマトセル成型苗直接定植による省力栽培技術の確立 |
予算区分 |
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道費 |
研究期間 |
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2004〜2006年度 |
研究担当者 |
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大久保進一、八木亮治 |
発表論文等 |
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田丸ら(2005)北海道園芸研究談話会報38:10-11 大久保・田中(2006)北海道園芸研究談話会報39:40-41 | |