脱水機構をもつ建設機械装着型堆肥切り返し機


[要約]

[キーワード]

[担当]北海道農研・生産支援システム研究北海道サブチーム
[代表連絡先]電話011-857-9260、電子メールseika-narch@naro.affrc.go.jp
[区分]共通基盤・作業技術、北海道農業・水田・園芸作、北海道農業・畜産草地
[分類]技術・普及


[背景・ねらい]

[成果の内容・特徴]

  1. 開発機は根元と先端の2カ所が可動のカバーと、バケット底部による可変容量機構を備える。作業は原料(麦桿の混入した家畜糞尿)をすくい上げ、カバーによる充填・圧搾に続き、バケット返し動作による底部での再圧搾の後、カバーを連続開閉して粉砕しながら放出することにより行う(図1)。開発機はパワーショベルに装着するアタッチメントであり、バケット最大到達高はパワーショベルにより異なるが約7.2mである。仕様を表1に示す。
  2. 開発機のカバーは油圧制御により連続開閉できる。図1@の状態でのカバーの連続開閉による原料圧搾により脱水効率を高められ、圧搾時間1分間で水分は処理前の原料より最大約5%低下する。
  3. 作業能率は工程あたりの圧搾時間20〜30秒(カバー開閉頻度:20〜30回/分)で21.5t/時であり、慣行のフロントローダ(バケット容量1.2m3)利用の1/2〜1/3である。水分は処理前の原料よりも1〜2%低下する。また、処理による原料への空気の混入効果により、対照と比較してかさ密度も低下する(表2)。その他、尿だめ投入口付近で作業できない場合は、排汁の排出作業が必要である。
  4. 原料水分84%、かさ密度526kg/・までの原料では、開発機による処理はローダによる切り返しと比較して品温が上昇する(表2)。乾物の減少も水分82%以下の原料(北農研試験)では1ヶ月の堆積で開発機による処理が35.5%に対し、ローダでは12.2%であり、開発機による処理が優る。
  5. 開発機による1回ないし、2回の処理で水分調製なしに堆肥化を促進できる原料の水分、かさ密度はそれぞれ84%、550kg/・程度までである(表3)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 無裁断の麦桿以外の敷料が混合された家畜糞尿については未検討である。
  2. 受注生産品(250万円)であり、7tクラス以上の一般的なパワーショベルに装着可能である。

[具体的データ] 

[その他]




目次へ戻る