八重系トルコギキョウの秋切り作型における品質向上対策
[要約]
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トルコギキョウの開花前の電照、反射マルチ設置、疎植は秋切り作型でのブラスチング発生を抑制し切り花のボリュームを増加させる。栄養生長を促進する定植後短日処理、稚苗定植との組合せによりブラスチング抑制と一層のボリューム向上が可能である。
[キーワード]
- トルコギキョウ、ブラスチング、電照、栽植密度、反射マルチ
[担当]道立花野技セ・研究部・花き科
[代表連絡先]電話0125-28-2800
[区分]北海道農業・水田・園芸作
[分類]技術・普及
[背景・ねらい]
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トルコギキョウの秋切り作型は北海道の有利性を発揮できる作型であるが、気象変動の影響を受けやすく、特に市場性の高い八重系品種ではブラスチング(蕾の生育停止)が問題となっている。光環境改善技術として電照法、栽植密度および反射マルチ、栄養生長促進技術として短日処理、稚苗定植について検討し、さらにそれらの組合せによる総合的な品質向上技術を確立する。
[成果の内容・特徴]
- 採花1ヶ月前からのナトリウムランプによる補光および長日処理では切り花のボリュ ーム増加とブラスチング抑制に効果が認められる。白熱灯による長日処理では日長反応による開花促進効果および切り花長の増加が認められ,照度を100lux以上確保することにより花蕾数の増加やブラスチング抑制効果も認められる。
- 疎植および反射マルチの設置による光環境改善においても切り花のボリューム増加と ブラスチング抑制効果が認められ、これらと電照法を組合せるとより品質向上効果が高まる(図1)。
- 栄養生長促進技術である定植後1ヶ月間の短日処理により切り花のボリュームは大幅に増加するがブラスチング抑制効果は認められない。しかし、光環境改善技術との組合せにより一層のボリューム増加とブラスチング抑制が可能となる(図2)。
- 稚苗定植によっても栄養成長促進による切り花のボリューム増加と光環境改善技術との組合せ効果が認められる。
- 本試験の結果から得られた品質向上対策のポイントを図3に示す。
- 収益性向上効果が高かった技術の組合せ例を表1に示す。
[成果の活用面・留意点]
- 本技術は八重系品種の6月定植10月切り作型において活用する。
平成19年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分
「八重系トルコギキョウの秋切り作型における品質向上対策」(普及推進)
[具体的データ]
[その他]
- 研究課題名:トルコギキョウの秋切り作型における品質向上対策
予算区分:道費
研究期間:2005〜2007年度
研究担当者:鈴木亮子
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