大豆の根粒菌接種では菌液の局所接種やスプレー接種の効果が高い


[要約]

[キーワード]

[担当]北海道農研・北海道畑輪作研究チーム、中央農研・大豆生産安定研究チーム
[代表連絡先]電話011-857-9260、電子メール seika-narch@naro.affrc.go.jp
[区分]北海道農業・畑作、作物
[分類]技術・参考


[背景・ねらい]

[成果の内容・特徴]

  1. 種子接種の場合に接種効果がより顕著に出る主根根粒の着生数が、根粒菌の接種位置を臍(腹)側から、側部、背側へと発根部から徐々に遠ざけるに従って低下し、種子表面に接種された根粒菌が根に侵入する土壌域まで土壌中を十分に移動できない(図1)。
  2. 根粒菌種子粉衣や根粒菌加工種子よりも、根粒菌粉衣種子等の上から水を滴下し種子根が伸長する土壌域に根粒菌を移動させる、すなわち局所接種すると接種効果が向上する(図2、実験1)。
  3. 栽培土壌の土壌水分を高めると種子粉衣でも接種効果が向上して、水滴下処理による種子根が伸長する土壌域への根粒菌局所接種と匹敵するようになり、接種菌の移動性は栽培土壌の水分条件によって影響されている(図3)。
  4. 種子周辺土壌への菌液スプレー散布でも接種効果を高めることが可能であり(図2、実験2)、圃場試験でも、播種日前後の降雨条件を問わず菌液スプレー接種は種子粉衣よりも接種効果が高い(図4)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 機械化の面では菌液局所施用よりスプレー接種の方が比較的容易と考えられるが、接種菌の根の伸長域までの到達性を高めるため、できるだけ種子から拡散しないようなスプレー散布の方法と必要水量を検討する必要がある。
  2. 菌の移動性だけでなく、接種効果に影響する他の栽培環境要因に対する対応もさらに検討する必要がある。

[具体的データ]

[その他]

 



目次へ戻る