強制通気型堆肥化施設からの環境負荷ガス測定方法


[要約]

[キーワード]

[担当]北海道農研・資源化システム研究北海道サブチーム、生研センター・畜産工学研究部・飼養環境工学研究
[代表連絡先]電話011-857-9260、電子メールseika-narch@naro.affrc.go.jp
[区分]畜産草地、北海道農業・畜産草地
[分類]研究・参考


[背景・ねらい]

[成果の内容・特徴]

  1. 図1に示す箇所に計測機器とガス採取地点を設け、堆肥化装置の排気を脱臭装置に導入するブロアの環境負荷ガスを連続測定を2−3週間程度(堆肥化に必要な期間程度)行うことで環境負荷ガス排出量を評価できる。
  2. ピトー管法によって排気の風速と静圧を測定し、評価したい施設の風速と静圧の関係をあらかじめ把握しておくことにより、圧力変動から風量を算定することができる。風量Qは、圧力計の出力値を風速Vに換算し、管路断面積をAとして求められる(図2のケースでは、 Q=A×(2.303×V+2.758)となる)。
  3. 排気用送風機の前後に圧力計を設置して堆肥化期間中の圧力変動を経時的にモニタリングし、図2に示すような排気量の変動を把握することができる。例示した事例では生ふんの投入や堆肥の引き抜き等の管理作業も大きく影響せず、排気流量がほとんど変動しないことを確認できた。
  4. 堆肥化装置の排気の環境負荷ガス濃度をマルチガスモニタを用いて30分間隔で連続測定することで、堆肥化期間中の各ガス濃度変動が明らかにできる(図3)。図3の測定事例を示したこの施設では、2日に1度の生ふん投入と製品堆肥引き抜き作業を行うが、アンモニアは日中に上昇する日間変動が見られ、亜酸化窒素は2日程度の周期で変動している様子が把握された。

[成果の活用面・留意点]

  1. 本測定方法は高精度でガス発生原単位を算定するための手法である。本法での測定事例の集積から我が国独自のインベントリーデータやLCAに必要な原単位が明らかになると共に、発生変動要因が解明され、簡易なガス発生量評価手法開発の端緒となる。
  2. 測定対象の排気が高湿度で検出機器へのダメージのや精度への影響が懸念される場合は測定精度に配慮しつつ除湿後の排気の測定も検討する。
  3. この手法で当該ガス量が算定されることで、処理ふん尿量あたりの排出係数(処理排泄物中の有機物1kgから発生するメタン量および、処理排泄物中の窒素1kgから発生する亜酸化窒素量)の算出が可能となる。

[具体的データ]

[その他]

 



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