直接給与生菌剤(製品名;BLCSルナシータDIBA)給与による粗飼料の利用効率向上効果


[要約]

[キーワード]

[担当]道立根釧農試・研究部・乳牛飼養科
[代表連絡先]電話0153-72-2036
[区分]北海道農業・畜産草地
[分類]技術・参考


[背景・ねらい]

[成果の内容・特徴]

  1. 粗濃比100:0(乾乳牛)におけるDFM剤添加(10、20g)により、ルーメン内容液の総VFA濃度は有意に増加(P<0.05)、A/P比は有意に低下(P<0.05)するが、メタン発生量に差はなく、DM、OM、およびNDF消化率は高くなる傾向を示す。0g区と10g区間は有意な差(P<0.05)となり、その結果TDN含量は高い傾向となる(P=0.12)(表1)。
  2. 粗濃比50:50(泌乳牛)におけるDFM剤添加(5、10g)は、DMI、ルーメン内容液性状、メタン発生量および消化率に影響を及ぼさない(表2)。
  3. 粗濃比65:35(泌乳牛)におけるDFM剤添加(5g)により、DMIは増加傾向(P=0.12)、プロピオン酸割合は高まる傾向(P=0.14)、A/P比は低下の傾向(P=0.11)、メタン発生量は増加傾向(P=0.06)を示すが、DMIあるいは4%FCMあたりのメタン発生量に差はなく、NDF消化率およびTDN含量は有意に低下する(P<0.01)(表3)。しかし、これらの結果は処理よりも個体差によるDMI増加の影響が大きいと考えられる。
  4. 粗濃比50:50(泌乳牛)におけるDFM剤添加(20、40g)により、総VFA濃度は高くなる傾向を示し、0g区と20g区間に有意差(P<0.05)が認められる。また、有意な差は認められないが、プロピオン酸割合は増加、A/P比は低下の傾向を示す。しかし、メタン発生量および消化率に影響しない(表4)。
  5. 以上、粗飼料のみ給与の乾乳牛では本DFM剤10g程度でVFAの増加効果とNDF消化率の向上が認められる。粗濃比50:50の泌乳牛では本DFM剤20g程度でVFAの増加効果は認められるが、消化率の向上は期待できない。本DFM製剤にメタン生成削減効果はない。

[成果の活用面・留意点]

  1. 本試験において、DFM剤添加給与はトップドレスで行った。
  2. 本製剤は「飼料の安全確保及び品質の改善に関する法律」に基づき、届出済みの飼料である。

平成19年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分
「乳牛への直接給与生菌(DFM)剤給与による粗飼料の利用効率向上効果」(研究参考)

[具体的データ]

[その他]

 



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