生体捕獲したエゾシカの一時飼育における現状の要点を提示する


[要約]

[キーワード]

[担当]道立畜試・家畜研究部・中小家畜飼養科
[代表連絡先]電話0156-64-5321
[区分]北海道農業・畜産草地 
[分類]行政・参考


[背景・ねらい]

[成果の内容・特徴]

  1. 一時飼育では捕獲した鹿の導入(出荷)施設が必要である。出荷スペースのフェンスには激突を避けるためにビニールシートを覆っている。濃厚飼料用飼槽の前面には頭だけが入る幅の格子を取り付け、採食競合を防いでいる(写真1)。野犬の被害を防ぐためにフェンスを約10cm埋設している。敷地面積はA飼育場11ha、B飼育場15haである。
  2. 導入頭数は、A飼育場が1,178頭(3カ年)、B飼育場が293頭(2カ年)で、その約6割は雌鹿となっている。
  3. 濃厚飼料は両飼育場とも市販の圧ぺん大麦、圧ぺんメイズ、ビートパルプを給与している。粗飼料には近郊農家から購入の乾草(ロール)、低水分ラップサイレージを給与している。なお、B飼育場ではでん粉粕を与えている。
  4. 飼料給与量は、A飼育場が874gDM/日、B飼育場が1,120gDM/日で、濃厚飼料の占める割合はそれぞれ9割および7割と高い。A飼育場では小径木に食害が観察される。
  5. A飼育場における飼育期間中の増体量は、1歳が2歳以上より、雄が雌より高い(表1)。
  6. 輸送時および導入時にへい死した個体の死因は、主に事故死、骨折である。飼育期間中では衰弱および骨折が多い。
  7. 寄生虫検査では肝蛭および一般線虫の寄生が認められ、小型ピロプラズマはA飼育場で検出されている。
  8. と畜体重に対する可食肉量の割合は雄雌間に差はない。部分肉ではモモの割合が高いが、ウデやスネなどの低品質部位も高い(表2図1)。

[成果の活用面・留意点]

  1. エゾシカ有効活用の行政施策に参考となる。
  2. 現在稼働中の飼育場における実態調査である

平成19年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分
「生体捕獲したエゾシカの一時飼育管理および産肉特性」(行政参考)

[具体的データ]

[その他]

 



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