畑地型酪農経営におけるトウモロコシサイレージ多給技術の経営的効果


[要約]

[キーワード]

[担当]北海道農研・北海道農業経営研究チーム
[代表連絡先]電話011-857-9260、電子メール seika-narch@naro.affrc.go.jp
[区分]北海道農業・畜産草地、共通基盤・経営
[分類]技術・参考


[背景・ねらい]

[成果の内容・特徴]

  1. 開発中のトウモロコシサイレージ多給技術は、経産牛1頭・日当たり乾物換算でトウモロコシサイレージ=10kg、牧草サイレージ=5kgを給与するとともに、配合飼料給与量を削減する給与技術であり(以下「トウモロコシ多給」と略)、これにより年間産乳量1万kgが確保可能と見込まれる。慣行との給与量等の相違を表1に示した。また、併せて表1に経営計画モデルのシミュレーションを行う前提条件を示す。
  2. トウモロコシサイレージ多給技術を導入すると、「慣行」に比べ、所得は1,140千円増加する。これは、トウモロコシ作付増加のため自給飼料費が1,807千円増加するものの、配合飼料給与量の減少により購入飼料費が2,947千円減少することによる。また、トウモロコシサイレージ多給技術の導入に伴いTDNベースの飼料自給率は10.7%高まる(表2)。
  3. 配合飼料価格の上昇が所得減少に与える影響を見ると、「トウモロコシ多給」は「慣行」に比べて緩やかである。所得は、配合飼料価格45円/kgでは「慣行」の方が上回っているが、48.0円/kgで双方が同じとなり、現行(2008年8月)の62.2円/kgでは1,140千円上回るようになる。配合飼料価格の上昇に伴い、「トウモロコシ多給」の相対的な有利性は高まる(図1)。
  4. トウモロコシサイレージ多給技術を導入した中規模畑地型酪農経営が多頭化した場合、収穫調製ピーク時(9月下旬)の労働制約のため、経産牛77頭、経営耕地面積48.0ha、所得20,094千円が上限となる。飼料生産をTMRセンター等の支援組織へ外部化すれば、経産牛106頭、所得26,566千円まで規模拡大可能となる(表3)。

[成果の活用面・留意点]

  1. この成果は、十勝南部地域の現地実証経営のデータに基づくシミュレーション結果であり、トウモロコシ単収は乾物換算で1.3トン/10aを前提としている。

[具体的データ]

[その他]




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