鎮圧ローラ付砕土機と施肥播種機を用いた省力・低コスト草地更新技術
[要約]
鎮圧ローラを取り付けたディスクローラ、ロータリーローラおよび新型グラスシーダによる草地更新は、従来法と比べて省力・低コストでかつ同等の牧草生産を示す。
[キーワード]
草地更新、ディスクローラ、ロータリーローラ、鎮圧、新型グラスシーダ
[担当]道立上川農試・天北支場・技術普及部
[代表連絡先]電話01634-2-2111
[区分]北海道農業・生産環境
[分類]技術・参考
[背景・ねらい]
砕土と鎮圧を同時に行うディスクローラとロータリローラおよび施肥播種と鎮圧を同時に行う新型グラスシーダを草地更新に導入すると、従来法に比べ作業回数が2回減り、省力・低コスト化が期待できる。そこで、本作業機を用いた更新法(省力法)が、土壌物理性や牧草生産に及ぼす影響を検討する。
[成果の内容・特徴]
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省力法の施工時の砕土率、施工後の土壌硬度および耕起土層厚は、台地土、砂丘未熟土、泥炭土のいずれにおいても従来法とほぼ同等である(表1)。
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鉱質土における播種量1.9kg/10aの条件下では、省力法の更新当年の発芽個体数は従来法に勝り、翌年の年間乾物収量も従来法対比で100〜113%と増加する(表2)。
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褐色森林土における省力法・播種量1.9kg/10aの掃除刈り前の生育量(茎数・草丈・乾物重)は、従来法・播種量2.4kg/10aにやや劣る傾向である(表3)が、更新当年としては十分な生育量であり、チモシー割合はほぼ同等であることから、翌年以降の生育・収量は従来法並と推定される。
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泥炭土における省力法(客土条件)の掃除刈り前の生育量は、従来法とほぼ同等である(表3)。
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省力法の作業時間は従来法との比較で鉱質土では21%、泥炭土では43%短縮される(表4)。省力法の機械費と種子費のコストは従来法の播種量2.4kg/10aより、各土壌それぞれ、15%、8%低減される。
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以上から、鎮圧ローラを取り付けた砕土機および施肥播種機を用いる草地更新は、省力・低コストで従来法と同等の牧草生産を示す。
[成果の活用面・留意点]
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本技術は土壌型によらず活用できるが、新型グラスシーダは重量が2t程度あるため、泥炭土では地耐力に留意する。
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本試験の省力法における砕土・鎮圧の作業機は、鉱質土の完全更新ではディスクローラ、泥炭土の簡易更新(表層撹拌法)ではロータリーローラを用い、播種量は1.9kg/10a(標準量2.4kg/10a)で実施した。
平成20年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分
「鎮圧ローラ付砕土機と施肥播種機を用いた省力・低コスト草地更新技術」(指導参考)[具体的データ]
[その他]
研究課題名:施工技術簡略化による低コスト草地整備法の評価
予算区分:受託(民間)
研究期間:2006〜2008年度
研究担当者:古館明洋、岡元英樹、中村直樹
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