大果で北海道向きのブルーベリー新品種「CW1」および「CW7」


[要約]

[キーワード]

[担当]北海道農研・寒地地域特産研究チーム
[代表連絡先]電話011-857-9260、電子メールseika-narch@naro.affrc.go.jp
[区分]北海道農業・水田・園芸作、果樹・育種
[分類]技術・参考


[背景・ねらい]

[成果の内容・特徴]

  1. 「CW1」および「CW7」は、いずれも1975年に北海道農業試験場(現:北海道農業研究センター)において、「コビル」に「ウェイマウス」を交雑して、得られた実生から選抜した系統である。2005年から育成地(札幌市豊平区羊ヶ丘)の圃場で挿し木繁殖個体を用いた生産力検定試験を実施して検討した結果、北海道向きのハイブッシュブルーベリー品種候補として優れた特性を示した。
  2. 「CW1」は育成地で8月上中旬に成熟する。樹勢は「中」で、樹高はやや低い品種「ウェイマウス」より低い。果実外観は良好である。果実重は2.0g程度である。糖度は12%程度で、酸含量は0.8g/100ml程度である。裂果の発生はほとんど見られない。1樹あたり収量は多い。北海道での圃場耐寒性は「やや強」で「ウェイマウス」並みである(表1表2図1)。
  3. 「CW7」は育成地で8月中下旬に成熟する。樹勢は「中」で、やや低い品種「ウェイマウス」と同程度である。果実外観は果粉が多く非常に良好である。果実重は2.2g程度である。糖度は11%程度で、酸含量は0.7g/100ml程度である。降雨による裂果の発生が若干みられる。1樹あたり収量は多い。北海道での圃場耐寒性は「中」で「ブルークロップ」、「ランコカス」より強い(表1表2図2)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 北海道のブルーベリー生産に好適な時期に収穫でき、両品種を栽培することによって収穫・販売時期を連続させることができる。
  2. 両新品種とも樹高が低めであるため、地際の下枝の剪除や敷きわら等を行って果実への土汚れを防ぐ必要がある。
  3. 両新品種とも結実性が良好であるため、花芽着生が多いときは剪除して、着果過多に注意する。
  4. 両新品種とも花房下部の果実は花器の発育不良が原因で小果となることがある。
  5. 両新品種とも酸含有量がやや多めであるため、生食用として利用する際は早採りをしない。

[具体的データ]

[その他]




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