ながいもの貯蔵歩留まり向上のための携帯型光センサーによる乾物率測定技術
[要約]
貯蔵前の乾物率が15%未満のながいもは、6〜11ヶ月間貯蔵した場合腐敗率が高い。貯蔵腐敗を低減する技術として泥付きのながいもの乾物率を携帯型光センサーにより非破壊で測定することが出来る。
[キーワード]
[担当]道立十勝農試・作物研究部・畑作園芸科
[代表連絡先]電話0155-62-2431
[区分]北海道農業・水田・園芸作
[分類]技術・参考
[背景・ねらい]
ながいもを低温庫で長期間貯蔵すると、乾物率が低いながいもでは、貯蔵中の腐敗が多く発生することが知られ、秋の収穫後から低温庫で長期貯蔵し、翌年まで通年出荷するながいもの産地では貯蔵歩留まりの低下が問題となっている。
そのため、乾物率が貯蔵期間中のながいもの腐敗に及ぼす影響を検討する。また、乾物率の測定を行ったロットを短期貯蔵用と長期貯蔵用に仕分けることにより、貯蔵歩留まりの向上を目指し、泥付きのながいもの乾物率を携帯型光センサーにより非破壊で測定する技術を開発する。
[成果の内容・特徴]
- 現地5か所のながいもを大型恒温貯蔵庫(2℃・RH95%)で貯蔵したところ、6ヶ月目以降から腐敗率が上昇し、11ヶ月目には最大66%、平均で48%の腐敗率となる。(図1)。
- 貯蔵前の乾物率と貯蔵11ヶ月目の腐敗率には負の相関が認められ、乾物率15%未満では70%前後腐敗するロットが多かったが、乾物率15%以上では腐敗率が30〜50%と低いロットが多い(図2)。
- 携帯型光センサー(静岡シブヤ精機製MIQ-7000)を用いて作成した泥つきながいもの乾物率推定式は、評価用の試料では予測標準誤差(SEP)が1.01となり、目標とするSEP1.6を下回り、実用可能な測定精度である(図3)。
- 携帯型光センサーによる乾物率の測定は、泥つきながいものいずれの規格においても乾物率を実用上問題なく測定することができる(表1)。
[成果の活用面・留意点]
- 全量、秋収穫したながいもの試験結果である。
- 乾物率に基づく貯蔵計画の策定に携帯型光センサーが活用可能である。
平成21年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分
「ながいもの貯蔵歩留まり向上のための携帯型光センサーによる乾物率測定技術」(指導 参考)
[具体的データ]
[その他]
研究課題名:ながいもの貯蔵歩留まり向上のための携帯型光センサーによる乾物率測定技術
予算区分:受託
研究期間:2006〜2007年度
研究担当者:田縁勝洋、鳥越昌隆、加藤 淳
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