豚ふん堆肥化過程で発生する複合臭の臭気指数に寄与する主要な悪臭物質


[要約]

[キーワード]

[担当]北海道農研・資源化システム研究北海道サブチーム
[代表連絡先]電話011-857-9260、電子メールseika-narch@naro.affrc.go.jp
[区分]北海道農業・畜産草地、畜産草地
[分類]研究・参考


[背景・ねらい]

[成果の内容・特徴]

  1. 嗅覚測定法である臭気指数(図1)を指標とした規制を採用する自治体は年々増加傾向にあり、平成20 年末時点で、47 都道府県中、25 都道府県が臭気指数規制を導入している。
  2. 堆肥化過程の様々な時期に採取した計64のサンプルについて、臭気指数、およびアンモニア、硫化水素、メチルメルカプタン、硫化メチル、二硫化メチル、プロピオン酸、n-酪酸、i-吉草酸、n-吉草酸の各悪臭物質濃度との相関を解析すると、臭気指数とアンモニア、またはメチルメルカプタンの間に高い相関(r>0.73)が認められる(表1)
  3. 悪臭物質間の相関では、低級脂肪酸類の間に(r>0.87)、また二硫化メチルとアンモニア、またはメチルメルカプタンの間に高い相関(r>0.76)が認められる(表1)。二硫化メチルはメチルメルカプタンの速やかな酸化により生成することが知られている。
  4. 臭気指数を従属変数、各悪臭物質濃度の閾希釈倍数を独立変数とし、Adjusted R-Square Selection Methodによる変数選択を行うことで、アンモニア(p<0.001)、メチルメルカプタン(p<0.01)、硫化メチル(p<0.05)を変数とするR2=0.70の重回帰モデルが得られ、これら悪臭物質が臭気指数の値に有意に寄与していることが示される(表2)

[成果の活用面・留意点]

  1. 各悪臭物質の閾希釈倍数の計算には、Nagata and Takeuchi (1990)に掲載されている三点比較式臭袋法により算出された閾値を用いている。
  2. 本成果は臭気指数に対して寄与が高い主要な悪臭物質を明らかにしたものであり、共存する他の悪臭物質の嗅覚に対する寄与を否定するものではない。

[具体的データ]

[その他]




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