黒毛和種未経産雌牛の肥育法および経産牛における最適肥育期間


[要約]

[キーワード]

[担当]道立畜試・家畜研究部・肉牛飼養科、肉牛育種科
[代表連絡先]電話0156-64-5321
[区分]北海道農業・畜産草地
[分類]技術・普及


[背景・ねらい]

[成果の内容・特徴]

  1. 29か月齢まで去勢牛と同じ飼料給与方法で肥育することによって去勢牛より枝肉重量が小さく皮下脂肪は厚くなるため、雌牛に適した肥育技術が必要性である。皮下脂肪や筋間脂肪の増加は肥育開始直後から始まっていることから、余剰脂肪が付きやすい雌牛では特に肥育前期の飼養管理が重要である(図1)
  2. 穀類割合60%の濃厚飼料を0.5kg/月で増給した牛では、日増体量や枝肉重量が最も大きくBMS No.も高い。一方、穀類割合60%の濃厚飼料を1.0kg/月で増給(去勢牛肥育における慣行法)した牛では、枝肉重量が小さくBMS No.も低い(表1)が、このことは肥育後期のおける濃厚飼料摂取量の急激な低下によるものである。これらのことから、未経産雌肥育には穀類割合60%の濃厚飼料を0.5kg/月で増給する飼養方法が適している。
  3. 経産牛では、肥育することによって脂肪および肉の色沢が改善される。6か月以上肥育しても枝肉重量の顕著な増加は期待できない(図2)。BMS No.は肥育期間の延長とともに改善されるが、肥育期間を6か月から9か月に延長すると肥育にかかる主要経費(飼料費+敷料費)は1.5倍に増加する(表2)

[成果の活用面・留意点]

  1. 未経産牛肥育試験については、約9.5か月齢から28.5か月齢まで肥育した結果である。
  2. 肥育後期に起立不能が起こることがあるため、日常の観察に注意が必要である。
  3. 経産牛肥育試験については、体重450〜550kgの一般的な経産牛を肥育した結果である。
平成21年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分
「黒毛和種雌肥育牛への飼料給与技術」(指導参考)

[具体的データ]

[その他]




目次へ戻る