衛星データを用いた草地への地下茎型イネ科雑草侵入程度の推定方法


[要約]

[キーワード]

[担当]道立根釧農試・研究部・作物科
[代表連絡先]電話0153-72-2004
[区分]北海道農業・畜産草地
[分類]研究・参考


[背景・ねらい]

[成果の内容・特徴]

  1. 圃場内の地下茎型イネ科雑草パッチ(シバムギ、リードカナリーグラス、ケンタッキーブルーグラス)と非パッチ(チモシー)部分の分光反射特性を解析した。地下茎型イネ科雑草内でも草種間で分光反射特性に差があり、チモシーとの判別には草種を分けて解析する必要がある(図1)
  2. 6月(1番草生育期)撮影の衛星画像、可視緑・近赤外反射強度を用いて、任意の1圃場におけるチモシーとシバムギを判別することができる(判別的中率95%、Kappa係数0.88)。チモシーに比較しシバムギの葉色が暗く濃い緑であること、シバムギで草量が少ないことが分光反射特性に表れたためと考えられる(図1図2)
  3. 10月撮影の衛星画像では、地下茎型イネ科雑草とチモシーの判別をすることは困難である。牧草の再生日数(再生量)、糞尿散布の有無などの条件が圃場により異なることが原因と考えられる。
  4. 11月(晩秋)撮影の衛星画像、可視緑・可視赤反射強度を用いて、複数圃場におけるチモシーとリードカナリーグラスを判別することができる(判別的中率81%、Kappa係数0.58)。チモシーに比較しリードカナリーグラスは秋の再生量が多く、枯れ上がりが早いことが分光反射特性に表れたためと考えられる(図3)
  5. 11月(晩秋)撮影の衛星画像から作成したリードカナリーグラス判別式を使って、同一画像内他圃場のリードカナリーグラス割合を推定し、地上調査による目視被度データと比較すると両者の間には決定係数0.56の高い正の相関関係が得られる(図4)

[成果の活用面・留意点]

  1. リモートセンシング、GIS技術を用いた広域的草地管理技術開発の研究に用いる。
  2. 根釧地域のチモシー主体草地での検討結果である。
  3. 6月撮影画像で作成した判別式は同一画像内でも草量レベルが著しく異なる圃場やチモシーの衰退が著しい圃場では全く適合しない場合がある。
平成21年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分
「高分解能マルチスペクトル衛星データを用いた草地への地下茎型イネ科雑草侵入程度の推定方法」(研究参考)

[具体的データ]

[その他]




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