アズキ茎疫病の圃場抵抗性検定法
[要約]
「エリモショウズ」、「十育149号」、「能登小豆」、「Acc832」、「Acc1398」を基準品種に用いて、8月初旬に16時間湛水処理し、湛水処理3週間後の8月下旬に発病調査を行うことで、アズキ茎疫病に対する圃場抵抗性が適切に評価できる。
[キーワード]
[担当]道立上川農試・研究部・病虫科、畑作園芸科、道立十勝農試・作物研究部・小豆菜豆科
[代表連絡先]電話0166-85-2200
[区分]北海道農業・生産環境
[分類]研究・参考
[背景・ねらい]
真性抵抗性によるアズキ茎疫病抵抗性育種には、新レースの出現による抵抗性の崩壊といった問題が避けられない。このため、真性抵抗性によらない圃場抵抗性を利用した抵抗性品種開発の新たな取り組みが必要である。そこで、本病に対する圃場抵抗性検定に最適な湛水処理方法、発病調査時期、圃場抵抗性評価のための基準品種等を検討し、本病の圃場抵抗性検定法を開発する。
[成果の内容・特徴]
- 「エリモショウズ」(すべてのレースに感受性)、「しゅまり」(レース1、3に抵抗性)、「十育150号」(レース1、3、4に抵抗性)の3品種・系統を指標品種として用い、これらの品種がほぼ同程度に発病する圃場を検定圃場とすることで、真性抵抗性の影 響を極力排除した圃場抵抗性の評価ができる(表1)。
2.湛水処理時間は、8時間よりも16時間の方が発病に好適である。また調査時期については、8月初旬の湛水処理後、急激に発病が進展し、8月中旬〜下旬には明瞭な品種間差が認められることから、湛水処理3週間後の8月下旬が適切である(図1)。
3.圃場抵抗性評価のための基準品種として、「エリモショウズ」(圃場抵抗性“弱”)、「十育149号」(同“やや弱”)、「能登小豆」(同“中”)、「Acc832」(同“やや強”)、「Acc1398」(同“強”)を用いる(表1)。圃場抵抗性検定法の実施要領を表2に示す。
4.本検定法を用いて、「十交0432」(エリモショウズ/Acc1398)の雑種後代であるF6世代系統の圃場抵抗性を評価すると“強”にランクされる(図2)。
[成果の活用面・留意点]
- 本検定法は、アズキ茎疫病圃場抵抗性の選抜・評価に利用できる。
平成21年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分
「アズキ茎疫病の圃場抵抗性検定法」(研究参考)
[具体的データ]
[その他]
研究課題名:小豆の病害複合抵抗性品種の開発強化−5)アズキ茎疫病圃場抵抗性検定手法の開発−、複数病害に対して持続的に抵抗性を示す小豆品種の開発強化−2)茎疫病圃場抵抗性の効率的選抜・検定手法の確立−
予算区分:道費(日豆基)
研究期間:2005〜2009年度
研究担当者:小倉玲奈、田澤暁子、青山聡、佐藤三佳子、藤田正平
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