北海道耕地土壌の理化学性の実態・変化とその対応(1959〜2007年)


[要約]

[キーワード]

[担当]道立中央農試・環境保全部・農業環境科、土壌生態科、生産環境部・栽培環境科、道立上川農試・研究部・栽培環境科、天北支場・技術普及部、道立道南農試・研究部・園芸環境科、道立十勝農試・生産研究部・栽培環境科、道立根釧農試・研究部・草地環境科、道立北見農試・生産研究部・栽培環境科
[代表連絡先]電話0123-89-2582
[区分]北海道農業・生産環境
[分類]技術・参考


[背景・ねらい]

[成果の内容・特徴]

  1. 水田:心土のち密度が基準値を超える地点が46%、pHが基準値未満の地点が51%を占める(表1)。交換性カリは、90年以降増加が頭打ちとなり、基準値未満の地点が11%、基準値超が35%を占める。有効態リン酸は一貫して増加しており、基準値超の地点が93%を占める。リン酸施肥は、平均では施肥標準に対して56%の量で充分と推定される。可給態窒素は80年以降緩やかに増加している。可給態ケイ酸は基準値に満たない地点が91%と多い。
  2. 普通畑:作土の深さは一貫して増加している。心土のち密度は基準値超の地点が59%を占める。全炭素は一貫して減少している。pHが基準値未満の地点は27%を占める。交換性カリは85年を境に増加から緩やかな減少に転じたが(図1)、依然として基準値超の地点が63%を占める。有効態リン酸は95年以降増加が頭打ちとなり(図2)、基準値未満の地点が9%、基準値超が37%を占める。可給態窒素は90年以降減少している。
  3. 野菜畑:心土のち密度が基準値超の地点が37%、作土のpHが基準値未満の地点が50%を占める。交換性カリは、基準値未満の地点が17%、基準値超が67%を占める。有効態リン酸はリン酸要求性が高いたまねぎの基準をあてはめた場合でも基準値超の地点が43%を占める。
  4. 施肥対応基準と施肥実態から推定した全道における減肥可能量は、水田ではリン酸 6,300トン、カリ1,100トン、普通畑の主要作物合計ではリン酸11,700トン、カリ10,600トンである。なお、この推定には有機物施用に伴う減肥を含めていないため、その分を加えると両成分とも減肥可能量はさらに大きくなる。

[成果の活用面・留意点]

  1. 本成績は適正な施肥管理および土壌診断の推進に活用する。
平成21年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分
「北海道耕地土壌の理化学性の実態・変化とその対応(1959〜2007年)」(指導参考)

[具体的データ]

[その他]




目次へ戻る