九州沖縄農業研究センター>>第二期旧研究チーム>>低コスト稲育種九州サブチーム>>飼料用新品種「ニシアオバ」


ニシアオバはニシホマレより15%多収で、全乾物重で1800kg/10a、TDN収量で1000kg/10aを得ることも可能です。(注:TDNは畜産草地研究所開発の推定法による。)

○ニシアオバの育成系譜

○玄米と籾 左:ニシアオバ 右:ニシホマレ
ニシアオバの生育特性
品種名 出穂期(月.日) 稈長(cm) 耐倒伏性 葉いもち 穂いもち
ニシアオバ 8.19 105
ニシホマレ 8.21 93 ○△
○稲株 左 ニシアオバ 右 ニシホマレ
○ニシアオバの草姿

子実もわらも多収、サイレージ(稲発酵粗飼料)向きの水稲「ニシアオバ」  (2008.05更新)

○飼料イネ(ホールクロップサイレージ稲)は、転作作物として栽培できる稲として、全国で取り組みが進んでおり、平成14年は全国で約3600haを越える作付けがあり、今後も生産が拡大する傾向にあります。また飼料イネは、水田で生産できる安全な自給飼料として、畜産の体質強化や地域環境保全、ひいては飼料自給率の向上に寄与することが期待されています。九州地域は稲作と畜産の両方が盛んな地帯であり、飼料イネを通じた耕畜連携によって、地域農業の活性化が期待されます。

○九州沖縄農業研究センターで新たに育成した「ニシアオバ」は、地上部全重が重く、また極大粒で、主食用水稲品種と識別しやすいという、稲発酵粗飼料利用に適した系統です。また、圃場に落ちたこぼれ種からの翌年の発芽が少ないという長所があります。平坦肥沃地ではやや倒伏に弱いという欠点がありますが
、2004年に水稲農林399号として命名登録され、大分県、熊本県の中山間地を中心に普及が進んでいます。
○現在、草地畜産種子協会から生産用種子の販売が行われており、2008年は約4.5tの種子が供給されました。