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冬季の黒毛和種子牛への温水給与効果


[要約]
冬季において黒毛和種子牛への温水給与は超早期母子分離方式において、離乳前からの飲水量の増加を促し、人工乳の摂取量を増加させる。

[キーワード]
肉用牛、温水、超早期母子分離

[担当]
宮崎畜試・飼養部・肉用牛科

[代表連絡先]電話0984-42-1122	
[区分]九州沖縄農業・畜産草地(大家畜)	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
飲水量の増減が牛の健康維持や乾物摂取量に影響することが、乳牛を中心に研究されている。暑熱環境以外では、乳牛では17〜28の水を好むとされ、水温が10以下に冷えると一時的な影響として体温が下がるとされている。これらは、成牛での報告でありむしろ子牛では寒冷下における水温低下の影響は大きいと考えられる。近年では、黒毛和種子牛への下痢予防対策として現場段階で温水給与の事例がいくつか見られるが、これらに関する研究報告は少ない。そこで、温水給与による疾病の発生及び発育への影響を検討するために、冬季に黒毛和種子牛について、ヒーターを用い常時28に保温された温水給与区(雄4頭)と水道水をそのまま給与する対照区(雄5頭)を設け、疾病発生状況・発育等の関連を調査する。

[成果の内容・特徴]
  1. 離乳時における一日増体量は、両区に有意な差は見られない(表2)。

  2. 両区の雄子牛における一日当たりの飲水量の推移を比較すると、温水給与区において60日齢以降に飲水量が増加する傾向にある(図1)。

  3. 両区の雄子牛における1日当たりの人工乳摂取量の推移を比較すると、哺乳後期に温水給与区において摂取量が増加する傾向にあり、離乳開始の目安となる飼料摂取量(1s)に到達するは平均で対照区の57.6日齢に対して温水給与区では54.3日齢となり、離乳日齢も早くなる(表2図2)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 冬季において、子牛の飲水量、人工乳摂取量ともに良好な結果が得られる。

  2. 哺乳期から離乳時において、円滑な人工乳への切り換えが可能である。

[具体的データ]

表1 試験区分


表2 発育の比較


図1 1日1頭当たり飲水量の推移


図2 1日1頭当たり固形飼料摂取量の推移

[その他]
研究課題名:先進的肉用牛繁殖経営確立試験
予算区分 :国費・県費
研究期間 :平成17年度(平成17〜20年度)


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