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◆ 花卉新育種資源作出・利用

花卉新育種資源作出・利用研究分野の概要
・種間交雑,遺伝子組換え等による新育種素材の作出
・花き育種へのDNAマーカー利用技術の開発
・花きの形態形成,開花,色素などの機構解明と制御技術の開発



大宮あけみ (教授)
 花色は花きの商品価値を決める重要な構成要素で、アントシアニンやカロテノイドといった色素が花弁細胞に蓄積することにより発現します。これらの色素化合物は植物毎に極めて多様な代謝制御が行われており、その結果として多様な花色が存在します。このような花色発現の精巧な仕組みを明らかにするとともに、遺伝子導入技術を用いて交雑育種では作出不可能な新しい花色を持つ花きの開発を目指します。

 これまで交雑育種により様々な花色を持つ花きが育種されてきました。しかし、交雑育種は交配可能な遺伝資源が種内や近縁種に限られます。また、他の形質を変えずに花色だけを変えるということが一般にはできません。遺伝子組換えでは、このような交雑育種による限界を克服し、これまでにない花きを創出できる可能性を秘めています。私たちの研究を通して新奇花色を有する花き開発につながる研究を加速し、花き園芸分野を活性化するとともに、高い商品価値を持つ花きの開発に貢献したいと考えています。

 

写真:RNAiによりカロテノイド分解酵素の発現を抑制し、花弁の色が黄色に変化した白花キク品種‘セイマリン’



西島隆明 (教授)
 野生植物の花には,そのままで十分に美しいものもたくさんありますが,園芸植物として育種される過程で,より魅力的に改良されてきました.では,これはどのように成し遂げられてきたのでしょうか? キク,バラ,カーネーションなど,広く人々から愛される花には,野生種にはない大輪の花や,完全八重などの装飾的な花形の品種があります.

 育種の始まりは,野生植物の中に見いだされた突然変異の固定だったと思われます.そして人為交雑により変異の拡大が図られ,交雑範囲はさまざまな色や形をもった近縁そして遠縁の遺伝資源へと拡げられていき,現在,私たちが目にすることができる観賞価値の高い栽培品種が生まれました.このような観賞価値の 高い変わりもの(変異)を作り出す原動力のひとつが,動く遺伝子トランスポゾンだと考えられます.私どもは,トランスポゾンの転移が活性化して変異が出やすくなったトレニアを用い,変異拡大によって花の観賞性が高まるメカニズムを解明し,それを育種に役立てるための研究を行っています.
 

写真.トランスポゾンの転移が活性化したトレニア「雀斑」(左上)ならびに「雀斑」から発生した変異体  


中山真義 (准教授)
 花は、植物の他の器官と比較して特異な形態を示すばかりでなく、独特の色や香りを有しており、これらは花卉の商品価値を決定する重要な要素となっています。花色に関する基礎的な問題に対して、多様な園芸花卉の中から研究目的に適した植物を選択し、園芸学的な方法に加え生物有機化学や分子生物学的手法を用いて研究を進めています。これらの研究を通して、花という器官についての理解を深め、高い商品価値を持つ花卉の生産に貢献することを目的としています。

 花色の発色機構および覆輪花弁の形成機構の解明に取り組んでいます。いくつかの花では補助色素という無色の化合物が色素の発色に影響を与えています。この補助色素効果を示す色素と補助色素の構造の関係を明らかにする研究を行います。覆輪は花弁の縁取りが内側と異なる色彩であり、色素が部位特異的に生合成されることによって形成されます。覆輪花弁における色素生合成の活性化・不活性化の機構と、組織特異性を決定する機構の解明を行います。