シ−トと自然換気を利用した切返しのいらない簡易堆肥化法


[要約]

シ−トを用いることにより、家畜ふんを屋外において低コストで堆肥化できる。また、堆積時の水分を70%以下とし、通気のため暗きょ排水管等を設置することにより切り返しを実施せずに堆肥化が可能である。

[キーワード] シ−ト、家畜ふん、低コスト、簡易、堆肥化
[担当] 群馬畜試・環境飼料部・環境課
[連絡先] 027-288-2222
[区分] 関東東海北陸農業・畜産草地
[分類] 技術・普及

[背景・ねらい]

 家畜ふんの堆肥化が義務付けられたが、処理施設を建設することが困難な中小規模の畜産農家を対象に、簡易で低コストな堆肥製造方法について検討した。

[成果の内容・特徴]

  1. 家畜ふんの上下をシ−トで包み込み、高さ1.5から2m、幅4m程度で、半年程度堆積する。これにより雨水の浸入や浸出水の流出を防止しながら堆肥を作れる(図1)。
  2. 堆積時に水分調整をしない場合(水分78%)は、温度は上昇せず発酵は進まない。水分調整をする(水分66%)と、発酵が進み昇温する(図2)。
  3. 水分調整し堆積高さの1/3程度のところに通気管(径50mm程度の水田用暗渠集水管等)を1から2m間隔、管の端が堆積物から出ている状態で埋設すると、底部まで発酵が進み発酵温度も高まる(図2)。通気管を設置しないと、底部に未発酵部分が残り、切り返しが必要となる。
  4. 6ヶ月間堆積した堆肥は、上部の表面部分について水分の高い低いにかかわらず、硝化が進むが、下部については、通気管なしでは嫌気状態で硝化も進まない。適正水分で通気管を設置すれば内部まで好気条件となり硝化も進む(表1)。

[成果の活用面・留意点]

  1. 堆肥製造施設を建設できない場合でも、ふんの堆肥化が可能となる。
  2. シ−トは、発酵済み堆肥の保管手段としても活用できる。
  3. 堆積物の下に直接シ−トを敷くと、作業によりシ−トが破損し再利用できないが、上のシ−トは再利用が可能である。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名

:家畜ふんの処理利用支援技術および新たな活用法の開発

予算区分

:県単

研究期間

:1999〜2001年度

研究担当者

:高橋朋子、山田正幸、鈴木睦美、浦野義雄

発表論文等

:なし


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