モミジガサの遮光作物としてウドを用いた混植栽培法


[要約]

モミジガサの生育には夏季の60%程度の遮光が適している。ウド栽培下でモミジガサを栽培すると、これと同等の遮光効果が期待でき、モミジガサの生育と収量が向上する。

[キーワード] モミジガサ、ウド、遮光、混植
[担当] 富山県林業技術センター・林業試験場・中山間地域資源課
[連絡先] 076-483-1511
[区分] 関東東海北陸農業・北陸・野菜花き
[分類] 技術・参考

[背景・ねらい]

山地の林下に自生するモミジガサは強い日射を嫌うため、圃場では遮光施設なしでは栽培が困難である。そこで、圃場の有効活用のため、茎葉が茂り遮光効果が期待できる山菜(ウド、タラノキ)と組み合わせた栽培方法の可能性を検討する。

[成果の内容・特徴]

  1. モミジガサの生育には、夏季の60%程度の遮光が適している(表1)。
  2. タラノキでは7月上旬から茎葉が繁茂し、7月中旬以降の遮光率は60〜70%、ウドでは7月中旬から茎葉が繁茂し、遮光率は40〜75%程度(図1)となり、両作物とも遮光作物として利用可能である。
  3. ウド栽培下のモミジガサは、定植後の活着も良く、定植3ヶ月後(越夏後)に生存率71%、定植12ヶ月後(越冬後)に57%である。一方、タラノキでは、定植後生存率が低下し、定植3ヶ月後(越夏後)に57%、越冬後には0%となり、モミジガサとの混植には不適である(表2)。
  4. モミジガサの栽培に適するウドの栽植密度は、うね幅2.4m、株間1m(417株/10a)である(表3図2)。
  5. モミジガサとウドの混植栽培では、10a当たりモミジガサで84.6kg、ウドで226.8kgの理論収量を得ることができ(表4)、同一圃場から2種類の作物の収穫が可能となるため、圃場の有効活用が図られる。

[成果の活用面・留意点]

  1. 北陸地域におけるウド、モミジガサの栽培に活用できる。
  2. 混植するモミジガサは、予め育苗した苗を利用する。
  3. モミジガサとの混植のため、ウドの栽植密度は単独栽培よりやや低くなる。
  4. 本試験での施肥量は、当場慣行(堆肥2t/10a、N−P−KOの各成分で15kg/10aを緩効性化成肥料で施用)とした。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名

:未利用資源の積極的活用と軽労化農業の推進等による中山間地域 活性化方策の解明 

予算区分

:国補(新技術) 

研究期間

:1999〜2001年度 

研究担当者

:松崎明子、梅林智美(現農業技術センター野菜花き試験場) 

発表論文等

:なし 


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