「パープルスイートロード」は菓子用途と高級感が販売のポイント


[要約]
「パープルスイートロード」は、消費者の評価は低いが購入希望価格は高いことから、大量には販売できないが、高級感を持たせた高価格販売が可能な洋和菓子用サツマイモである。また、販売時には機能性表示や洋和菓子用一次加工を行うなどの工夫が必要である。

[キーワード]
サツマイモ、新品種、ホームユーステスト、マーケティングリサーチ

[担当]中央農研・経営計画部・マーケティング研究室
[連絡先]電話 0298-38-8851
[区分]関東東海北陸農業・経営、水田畑作物
[分類]技術・参考

[背景・ねらい]
 産地が新規農産物を導入する場合、生産関連の情報は多いが、当該農産物の商品特性や販売方法に関する詳細な情報は得られないことが多い。そこで本研究では,消費者調査手法であるホームユーステスト(以下はHUTと記述)を用いてサツマイモ新品種のパープルスイートロード(系統名「関東117号」、以下はパープルと記述)の商品特性及び販売方法を解明し、産地が当該農産物を新規導入する場合の参考とする。
なお、パープルは、抗酸化能・ラジカル消去能等の機能性があるアントシアニン色素を含有する紫サツマイモで、外観が優れ、いも揃いも良く、多収である。また、紫サツマイモとしては良食味で、青果用としての利用が期待される新品種である。

[成果の内容・特徴]
1. 「基本料理」の4種類(電子レンジを使った蒸しいも、蒸しいも、フライパンを使った焼きいも、天ぷら)全てについて、パープルの評価はベニアズマよりも低い(図1)。
2. 「自由料理」については、「基本料理」に比べてベニアズマとの評価差が縮小する(図2)。パープルは手を加えることによって評価が高まるが、特に高得点(7点、6点)を得た「自由料理」は洋和菓子である。調査対象者から出された意見の中にも「菓子に向いている」という意見が多くみられる(表1)。
3. 他の意見では(表1)、「栄養(機能性)がある(ありそう)」や「色がよい」等のポジティブな意見がある一方で、「甘くない(美味しくない)」や「色に抵抗感がある」等のネガティブな意見がある。ネガティブな意見の中で、販売時に対応可能な項目は、「下ごしらえが面倒(周りが汚れる)」と「一次加工済みならば利用する」である。
4. 「基本料理」、「自由料理」を通じての総合評価は、ベニアズマの評価が高いが、購入希望価格はパープルの方が高い(表2)。また、「ばら売り(1本単位)」希望が8割程度で、定性情報からもほとんどの調査対象者は小単位での購入を希望している。
5. このように、パープルは通常の商品と異なり専門品的であり、大量には販売はできないが高級感を持たせた高価格販売が可能な洋和菓子向きの商品である。

[成果の活用面・留意点]
1. HUTとは、調査対象者が家庭生活の中で商品を使用し、その結果を調査用紙等に記録する方法である。調査対象者は、2002年度はつくば市周辺の30〜60歳の30世帯、2003年度は南関東の30〜60歳の30世帯であるが、年齢階層間に評価の差はみられない。
2. 多収であるため、少しの面積拡大で大量に生産できる。そのため、販売先を確保しながら少しずつ面積拡大を図るなど、生産計画策定は慎重に行う必要がある。
3. 販売時の機能性表示は、「アントシアニンが含まれている」等の表現に留めるなど、消費者が優良誤認を起こさないように十分に配慮する。

[具体的データ]
 

[その他]

研究課題名:都市近郊青果物産地における販売戦略策定支援手法の開発
課題ID:03-03-03-01-02-03
予算区分:交付金
研究期間:2002〜2005年度
研究担当者:河野恵伸、大浦裕二、石橋喜美子、中谷誠(以下、作物研)、藏之内利和、田宮誠司


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