畜産経営に導入した環境会計


[要約]
畜産経営に環境会計の導入を図る場合、一般的な畜産経営で想定される環境保全コストは、大部分が事業エリア内で生じる環境負荷抑制のためのコストで、環境会計の導入により、環境保全コストや環境保全効果判定を数値化して把握できる。

[キーワード]環境会計、環境保全コスト、環境付加、環境保全効果

[担当]静岡中小試・経営環境スタッフ
[連絡先]電話 0537-35-2291
[区分]関東東海北陸農業・畜産草地(畜産環境)
[分類]科学・参考

[背景・ねらい]
 家畜の飼育に伴って発生するふん尿処理に起因する排水処理や臭気対策は、地域の環境保全にとって重要な要因である。そこで、環境会計手法を畜産経営に導入することにより、環境保全に係る経費の費用対効果を明らかにするとともに、これらの情報を地域住民等の利害関係者に積極的に開示することにより、安定した畜産経営の存続を目指す。
[成果の内容・特徴]

[成果の内容・特徴]

1. 環境会計ガイドブック(環境庁2000)により、6項目の環境保全コストを畜産経営に適用し活動項目を分類すると、表-1に示すように生産・サービス活動により事業エリア内で生じる環境負荷を抑制するコストに係る項目が大部分を占めている。
2. 静岡県中小家畜試験場(以下、場)における平成13年度の環境保全コストは表-2に示すとおりで、場歳出予算の21.5%であるが、環境保全コストの61%がエリア内環境負荷抑制コストで、家畜のふん尿処理コストは環境保全コストの52%を占めている。
3. 場では環境マネジメントシステム(EMS)を運用しており、表-3に示すとおりその活動結果と併せて、省資源・省エネルギー効果や各種廃棄物の発生・リサイクル状況が数値化してとらえることが可能となる。

[成果の活用面・留意点]

1. 畜産経営に関する活動項目を分類するためには、業務内容の見直しを伴うため、経営改善のきっかけとして活用できる。
2. 活動項目の分類にあたっては、内容が確定しているものではなく、環境会計作成者の考え方により、活動項目の分類は異なる場合がある。
3. 今回は人件費及び原価償却費をのぞいて集計を行ったため、さらに精度を高めるには人件費及び原価償却費を集計に加える必要がある。
4. 臭気問題に関しては、発生する臭気成分と法規制値や苦情の発生状況とどのような重み付けで表現するか等、実際に畜産現場で発生する環境問題に関する環境会計への評価方法については、さらに検討を加える必要がある。

[具体的データ]




[その他]

研究課題名:畜産経営における環境会計手法の検討
課題ID:
予算区分:県単
研究期間:2000〜2002年度
研究担当者:関哲夫
研究論文等:関(2003)静岡県中小家畜試験場研究報告14: 33-37


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