豚ぷん堆肥中無機成分の変動要因


[要約]
豚ぷん堆肥中の無機成分変動要因を知るには、ケイ酸含量及びケイ酸を除外した灰分中の無機成分組成を調べることが有効である。ケイ酸含量からモミガラの混合割合が、またカリウム含量から尿の混合割合がある程度推定できる。

[キーワード]家畜ふん尿、豚ぷん堆肥、無機成分、ケイ酸、モミガラ、水分調整材

[担当]石川畜総セ・資源利用部・飼料環境科
[連絡先]電話 0767-28-2284
[区分]関東東海北陸農業・畜産草地(畜産環境)
[分類]科学 ・参考

[背景・ねらい]
 石川県畜総センターにおける4か年にわたる豚ぷん堆肥の品質調査によれば、堆肥中の無機成分は使用する水分調整材の種類・量や季節等の諸条件によって大きく変動している。そこで、調査結果から豚ぷん及びその堆肥化過程で生じる変動要因とその解析手法について検討する。

[成果の内容・特徴]
1. 堆肥化に使用される水分調整材の中で、オガクズに含まれる無機成分はわずかであるが、モミガラには大量のケイ酸が含まれ、カリウムも多い。しかし、モミガラは貯蔵状態によって無機成分が変動し、屋外に長期間放置したモミガラのカリウムは激減する(表1)。
2. 豚ぷんには飼料由来のケイ酸がわずかに含まれるだけなので、堆肥中のケイ酸含量を調べることでモミガラの混合割合がある程度推定できる(図1)。調達可能な時期だけモミガラを多く利用すると製品堆肥中のケイ酸の変動が大きくなる。モミガラを多く混合した堆肥ではケイ酸以外の無機成分含量は相対的に低下する。
3. ふん尿の処理方式、水分調整材の種類・使用の有無によって無機成分のバランスに特徴がある。例えば、尿の混入が多いほどカリウムの割合が大きくなる(図2)。
4. 同一施設の堆肥中の無機成分組成を継続的に調べることにより、その変動要因が解析できる。すなわち、敷料、飼料や浄化処理方法等の変更が無機成分組成の変化として現れてくる。なお、この場合、圧倒的に多いケイ酸を除外して比較した方が解析が容易である(図3)。リン、マグネシウムの変動は比較的小さい。
5. 同一施設の堆肥のケイ酸を除外した無機成分組成を継続的に調べると、カリウム、カルシウムに比べリン、マグネシウムの変動(変動係数)は比較的小さい。

[成果の活用面・留意点]
1. 尿を多く含む堆肥はカリウムの高い堆肥となり、逆に、浄化処理している経営の堆肥のカリウムは比較的低いことから、カリウムの必要性に応じて堆肥を使い分けるとよい。
2. 雨に当てないモミガラを多く混合した堆肥は、モミガラ由来のカリウムが無視できない程度含まれるので、他の無機成分とのバランスに注意する(図2)。
3. ケイ酸(粗ケイ酸)含量はミネラル分析の湿式灰化の濾過残さを定量するだけなので手間はそれほど増えない。


[具体的データ]





[その他]
研究課題名:腐植物質等利用ふん尿処理技術試験
予算区分:国補(生産振興)
研究期間:1999〜2002年度
研究担当者:高橋正宏
発表論文等:高橋 (2003) 日畜学会第101大会講演要旨集:150

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