アオサ添加飼料を給与した採卵鶏の産卵成績および孵化成績


[要約]
採卵鶏に乾燥アオサを市販飼料および自家配飼料に3〜5%配合して給与すると良好な産卵成績が得られ、産卵後期に顕著である。また、アオサ添加群は肝臓中粗脂肪含量が低くなる。人工授精により得た種卵の孵化成績は市販飼料給与群と8%添加飼料給与群とで変わらない。

[キーワード]鶏、アオサ、ルテイン、孵化率、脂肪肝

[担当]千葉畜総研・生産技術部・養豚養鶏研究室
[連絡先]電話 043-445-4511
[区分]関東東海北陸農業・畜産草地
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 近年、東京湾で夏から秋にかけて緑藻の一種であるアオサの大量発生が観察され、沿岸の環境などに多大な被害を与えている。アオサを海から取り除き有効活用することは、資源の活用にもなる。また、アオサにはカロチノイドの一種であるルテインを始め機能性物質が含まれていることから、採卵鶏に給与し、産卵成績について調査する。

[成果の内容・特徴]
1. 当センターで配合した基本飼料(対照区)中のアルファルファミールの一部(全体量の1%及び3%)を乾燥(素干し)アオサで代替した飼料(表1)、あるいは、市販飼料(CP17%、ME2,850kcal-市販対照区)に3%のアオサを添加(市販3%区)した飼料を300日間給与しても、体重、飼料摂取量に影響はない。また、産卵成績に対する影響も認められず、対照区と同等の成績である。なお、卵黄中のルテイン量はアオサの添加量に応じて増加する傾向にある(表2)。
2. 市販飼料と、市販飼料にそれぞれ5%アオサ(購入水洗・乾燥品)のみ、5%アオサとエネルギーバランス(CP:ME比)を取るために食用油を添加した飼料をそれぞれ200日または試験後期の100日追加給与し、産卵成績、飼料摂取量及び要求率、卵質、試験終了時の腹腔脂肪と肝臓重量及び肝臓中の粗脂肪割合について調査したところ、アオサ5%単独添加による産卵成績への影響は見られないが、アオサに対して食用油を5%添加した区は他に比べて産卵率が明らかに低下する(表3)。卵質はアオサ給与区が全て対照区に比べて卵黄の色調が高くなるが(p<0.05)、卵黄率などには認められない。アオサの給与期間が100日、200日にかかわらず、肝臓中の粗脂肪含量はアオサを添加した全ての区において対照区に比べ少ない(p<0.05)(表4)。
試験3 市販飼料に8%アオサを添加した試験区と市販飼料を給与した対照区に、試験飼料給与2週間後から人工授精して得た種卵各360個の孵卵成績を調査したところ、アオサの給与による孵化率は91.4%で、対照区の91.8%との差は認められなかった

[成果の活用面・留意点]
1. アオサの供給量は季節及び気候に変動される。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:高付加価値卵作出技術の開発
予算区分:(県単)
研究期間:2000〜2003年度
研究担当者:脇雅之、菊地里佳、丸山朝子
発表論文等:
1)菊地里佳、脇雅之(2001):平成13年千葉県畜産総合センター研究報告第1号、7-11
2)丸山朝子、山口岑雄(2003)平成15年千葉県畜産総合研究センター研究報告第3号
3)丸山朝子、青木ひかる(2003)平成15年度千葉県畜産総合研究センター研究報告第3号

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