「蜀鶏(とうまる)」を活用した新潟県産地鶏


[要約]
当県原産の「蜀鶏」を活用した三元交雑鶏の中から肉質(うま味成分、歯ごたえ等)を指標に選定しており、「蜀鶏」と「名古屋種」交雑種雄と「横斑プリマスロック」雌を交配した(特定JASの定義する)在来種100%の地鶏である。

[キーワード]鶏、蜀鶏、地鶏、在来種、うま味

[担当]新潟畜研セ・養豚養鶏科
[連絡先]電話 0256-46-3103
[区分]関東東海北陸農業・畜産草地(中小家畜)
[分類]技術・普及

[背景・ねらい]
 安全かつおいしい農畜産物や自然志向、地場産志向等へ消費者ニーズが変化しているなかで、ブロイラー業界は従来の低コスト、大量生産だけでなく、地鶏や銘柄鶏を取り入れた経営戦略に変化してきている。一方、生産面では地域条件を活かした多様な経営体の育成が課題であり、所得機会の充実や地域の活性化を図るために地鶏を利用した特産品の開発・振興が望まれている。当県には地鶏がいないことから、新潟県が原産の天然記念物「蜀鶏(とうまる)」を組み合わせた特色のある地鶏を作出する。また、その交配様式については単純な組合せではなく、肉質の理化学的数値等による裏付けを基に選抜・決定を行う。

[成果の内容・特徴]
1. 蜀鶏(T)を雄系の雄とした三元交雑肉用鶏を作出するため名古屋種(N)、ロードアイランドレッド(R)、横斑プリマスロック(B)、シャモ(G)の4品種を用い12種類の候補鶏を想定したが、試験の過程で選抜し最終的に8種の三元交雑肉用鶏のデータを得た。増体成績の他、うま味成分(グルタミン酸、イノシン酸含量)の成績を中心に3種(TNG、TNB、TGB)を選抜し、官能評価(一対比較法)により最終的な組合せを選定した。
2. 選定した地鶏は「蜀鶏」×「名古屋種」×「横斑プリマスロック」(TNB)で発育も良好である。また、うま味成分であるグルタミン酸が多く、イノシン酸も比較的多い。最終的にブロイラー鶏肉と比較した場合、色は赤みが強く、歯ごたえがあり、加熱損失率が低いことから、保水力がありジューシーである(図1図2図3)。
3. ブロイラーを基準(0点)としてパネラー延べ114人により地鶏候補3種類の胸肉を比較し、+2〜−2の五段階で点数化した官能評価試験ではTNBの味、香りが最も良く、歯ごたえもあり総合評価が最も高い。もも肉から煮出したスープも同様にパネラー延べ118人で比較したところ、TNBの味が最も良く、うま味やコクが豊かで総合評価が最も高い(図4)。
4. 理化学的成績、官能試験の総合評価で選定した地鶏はうま味成分が多く、歯ごたえがあり、煮ても焼いてもバランスの良い美味しさがある。

[成果の活用面・留意点]
1. 平成15年度に命名・公表し、当面、現地と連携し試験的な普及を図る。
2. 地鶏の適正な栄養水準等について検討し、コスト低減に向けた飼養管理体系を確立することにより普及推進を図る。


[具体的データ]


[その他]
研究課題名:新潟県産地鶏の開発 −「蜀鶏」を活用した地鶏の作出−
予算区分:県単
研究期間:2000〜2002年度
研究担当者:本間紀之、宮腰雄一、鈴木ひろみ

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